目次
P2Cとは?
P2Cとは、Person to Consumerの略です。
ビジネスモデルをシンプルに表すなら、「個人→消費者」という販売モデルです。
個人が商品を生産し、Instagram(インスタグラム)などSNSなどの場で販売を行うスタイルです。
個人が消費者相手に販売するモデルが活性化した背景には、小売市場の縮小が挙げられます。
また、若年層から始まった「実店舗からECサイトへ」という購買行動変化などもあります。
現在は、年代や地域を問わず、ネットショッピングが台頭する時代となりました。
P2Cが注目される理由としては、生産者が発信するブランド理念やコンセプトも併せて商品価値と見なされている点が挙げられます。
SNS時代になり、インフルエンサーと呼ばれる、個人の情報発信力が非常に強い存在が目立ってきています。
したがって、「どのようなコンセプトで商品を世に送り出しているか」を丁寧に訴求することが、消費者の購買意欲へ繋がります。
インターネット直販であれば、一個人も大企業と変わりなく闘える、フェアなチャンスを手にすることが出来ます。
流行をいち早くキャッチし素早く行動に移したインフルエンサーたちは、P2Cで大成功を収めています。
P2Cが好意的に受け止められる理由
P2Cの発売元は、あくまで個人です。
一般人だけでなく、組織の経営者や重役まで、様々な立場の個人に及んでいます。
つまり、P2C流行りは、個人発信の方がより消費者の心を掴んでいることを意味しています。
また、個人で行うPRや広告が、企業のものより関心を惹くことも事実です。
- 自分で作って販売するという手作り感が共感を生む
- 情報発信は生産者が直接行う
という、一貫したスタイルから社会的信頼を得ていることが理由です。
発信の場は
などで、情報発信から販売までを一貫してインターネット上でビジネスを行っています。
本格的に活性化したのは、2020年からです。
コロナ禍にあり新しい市場が形成されたことも大きな要因と言えます。
D2Cとは?
D2Cは、Direct to Consumerの略で、古くからあるビジネスモデルです。
メーカーが卸業者を通さず消費者へ商品を販売するスタイルです。
D2Cは、スマートフォンの台頭で一気に普及した販売形態と言えます。
普及した背景には、わざわざ小売店に行かなくても、スマートフォンでタップするだけで買い物できることがあります。
商品の生産者にとっては、消費者に商品が届くまでの過程を大幅に省くことで、マージンを発生させない販売形態を得ることになりました。
D2Cでは、生産者は自社の運営するECサイトを開設し、ダイレクトに消費者に販売できるようになります。
生産者がスタイルを確立した現在では、すでに実店舗を持たずオンラインのみで販売する企業も珍しくはありません。
消費者は、ビジネスに関する全てのことをデジタルで完結することに、
- 違和感
- 抵抗感
- 疑問
を持たない時代になったと言えます。
D2CとP2Cの違い
結論から言えば、P2CはD2Cから派生したビジネスモデルです。
一般消費者なら、どちらであろうと気にせず利用している人たちは多いです。
最も大きな違いといえば、立ち上げたのが企業なのか一個人なのかという点です。
- 企業が立ち上げたサービスならD2C
- 個人が立ち上げたならP2C
となります。
P2Cは、基本的に個人が商品の企画や開発、生産や販売チャネルを一貫して全て実施します。
しかし、企画を個人が行い、提携企業と開発した商品を販売するというスタイルもあります。
主体が一個人であればP2Cと理解され、主体に企業の顔があればD2Cと理解されます。
P2CとD2Cには、明確な仕分けや定義がある訳ではないため、境界を分けることは出来ません。
したがって、既に企業を経営している経営者でも、経営者個人が立ち上げて運営しているブランドであれば、D2CではなくP2Cという扱いになります。
本人が広告塔となってSNSで情報発信することで、顔の見える販売形態を取れる点が大きな違いと言えます。
P2Cのメリット
P2Cのメリットについて説明します。
P2Cが持つD2Cには無いメリットはどのような点なのか理解することは重要です。
ぜひ参考にしてみてください。
- 費用をかけずに訴求できる
- Webで見込客を集客しやすい
- 業績予測がしやすい
費用をかけずに訴求できる
P2Cは、事業を立ち上げた本人がInstagramなどで宣伝広告し、あらゆるメッセージやコンセプトを伝えます。
したがって、広告費が基本的にかかりません。
従来は、商品を世に知らしめるためには、メディアへの広告出稿が常識でした。
したがって、多大なコストを要するのが当たり前でした。
P2Cは宣伝に関するコストがほぼかからないため、経費的に非常に大きなメリットがあります。
Webで見込客を集客しやすい
一からビジネスを立ち上げるためには、まずはフォロワーを獲得しなければなりません。
ただし、フォロワーを獲得するマーケティング施策は、P2Cビジネス全てにおけるマーケティング施策と合致する行動です。
P2Cビジネスは、基本的に全ての施策がオンラインで完結できます。
ブランド力の育成はそのままファンの育成になり、商品に対する熱意ある情報発信はそのまま見込客への訴求になります。
フォロワーが熱心になればなるほど顧客になりやすく、全ての行動が終始一貫して売上へ直結します。
したがって、ブレが起きにくいのがメリットです。
業績予測がしやすい
オンライン販売の場合、業績予測はフォロワー数からほぼ可能です。
ECサイトの場合、商品を売りつけることではなく、
- ブランドを育てること
- ユーザー目線のサービスを充実させてファンを増やすこと
が第一優先となります。
せっかく興味を持ってアクセスした見込客が、単なる押し売りのサイトだと感じてしまったらフォロワーにはなりません。
逆に、たくさんのフォロワーを獲得すれば、どれくらいのパーセンテージが実際に購買行動に移るかが予測できます。
したがって、全て数字によるビジネス予測がしやすいのがメリットです。
もちろん、結果が振るわない場合は、どこがニーズに逸れているかを分析することが重要です。
分析することで、業績に良い影響を与えられるマーチャンダイジングが可能となります。
P2Cのデメリット
P2Cのデメリットについて解説します。
デメリットを理解することで、P2Cビジネスを行う際には、どのような点に注意すればよいのか理解できます。
したがって、ぜひ参考にしてください。
- 知名度が無いと成功しない
- 炎上の影響を受けやすい
知名度が無いと成功しない
P2Cは、フォロワーを獲得できなければ成功しにくいビジネスです。
フォロワーやチャネルなど限られた範囲から顧客が生まれるビジネスモデルです。
したがって、いかに拡販するかが、とても高いハードルになります。
炎上の影響を受けやすい
P2Cは、個人がSNSなどを通じて行うビジネスです。
SNSを利用し、多くの人と接する機会が増えると、炎上する可能性が出て来ます。
個人で全ての管理を行っている場合は、炎上した際に全て自分に降りかかってきます。
したがって、炎上の影響を受けやすいと言えます。
P2Cの成功事例
P2Cで成功している事例について紹介します。
これからP2Cを始める場合、成功者を参考にすることが一番の近道と言えます。
ヒカル
YouTubeアカウント:ヒカル(Hikaru)
ヒカルさんは、「金持ちYouTuber」として有名な方です。
チャンネル登録者数は470万人を超える、非常に影響力のある方です。
ヒカルさんが行ったP2Cは、自分のYouTubeチャンネルでの宣伝を中心としたブランド「ReZARD」を設立しました。
数多くのチャンネル登録者が持つ影響力は、非常に効果的に作用しました。
シューズの販売を宣伝する動画を投稿した際に、販売サイトの決済システムがサーバーダウンしました。
非常に集客力が強いことが分かります。
ヒカルさんは、ReZARDの売り上げが年商25億円に達していると発表しました。
広告を頼らずに、自分の影響力だけで宣伝できるのは、P2Cの大きな強みとなっています。
朝倉未来
YouTubeアカウント:朝倉未来 Mikuru Asakura
朝倉未来(あさくらみくる)さんは、プロ総合格闘家として活躍されている方です。
また、YouTubeでの活動も行っていて、チャンネル登録者は240万人を超えるほど、人気の高い方です。
朝倉未来さんは、「MATIN AVENIR」というブランドを設立しています。
プロの格闘家として、「動けるおしゃれ」をコンセプトにしたファッションブランドとなっています。
普段着からジムのトレーニングウェアまで、おしゃれなアパレルを数多く展開しています。
一般人が同様のコンセプトを掲げた場合、朝倉未来さんほどの説得力は出ません。
インフルエンサーでもあり、格闘家として実績を残している朝倉未来ならではのブランドとなっています。
kanekin
YouTubeアカウント:Kanekin Fitness
kanekin(カネキン)さんは、YouTubeで筋トレやボディビルについての動画を中心に投稿しているYouTuberの方です。
チャンネル登録者は40万人を超えるほど、人気のある方です。
カネキンは、主に筋トレに関する動画投稿ばかりです。
したがって、様々なジャンルの動画を投稿しているYouTuberよりも、ターゲット層が限定されています。
そんなカネキンさんのファンには、筋トレ関連のコアなファン層が多いと言えます。
カネキンさんは、「COR」というアパレルブランドをたちあげました。
普段の自分のトレーニングウェアとして着用することで、自分をモデルに宣伝することが出来ます。
カネキンさんの筋肉に憧れているファンが見ると、欲しくなるのは当然です。
また、アパレルブランドだけでなく、ジムの運営も行っています。
自分のジムで自分のアパレルを着て動画撮影することで、ファンも真似したくなります。
したがって、上手くP2Cビジネスを行っていると言えます。
SEIKA
Instagramアカウント:seika
SEIKAさんは、Instagramでファッションなどを中心に投稿するインスタグラマーです。
フォロワー数は約12万人と、競合の多いファッションジャンルにおいては十分人気があると言えます。
そんなSEIKAさんは、「RANDEBOO」というファッションブランドを設立しました。
RANDEBOOのモデルは、全てSEIKAさんが務めています。
自身のファッションインフルエンサーとしての人気を、ブランド内でも発揮しています。
また、RANDEBOO専用のインスタグラムアカウントを設立しています。
今では、ブランドを運営するSEIKAさんよりもフォロワーが多くなるほど、人気のあるブランドになっています。
KEI
Instagramアカウント:K E I ®︎
KEIさんは、Instagramでストリートファッションを中心に投稿するインスタグラマーです。
自身がミレニアル世代であるデザイナーのKEIさんは、カリスマインスタグラマーとしてストリート系から絶大な人気を誇ります。
フォロワー数は約11.7万人となっています。
KEIさんは、「youthloser」というストリートファッションブランドを設立しています。
ブランド内では、ユニセックスのストリートファッションを扱っています。
また、KEIさんは、国内外の様々なストリートブランドを着こなしています。
したがって、感度が高く、スタイリッシュなセンスで高い評価を得ています。
元々は、オンライン上のみでオリジナルグッズを販売するSUZURI(スズリ)での販売からスタートしました。
しかし、現在は自身のオンラインショップで購入が可能です。
まとめ
P2Cは、個人でブランドや商品を企画し、SNSなどを通じて情報を拡散する販売モデルです。
インフルエンサーの方など、SNSでの影響力が大きい方が、効率的に行うことが出来ます。
逆に、個人として影響力の無い方は、P2Cビジネスを始めるのが難しくなっています。
インフルエンサーのように影響力が無い場合は、D2Cビジネスとして消費者と直接繋がる方が現実的です。
P2CビジネスもしくはD2Cビジネスを始める場合は、
- 自分の影響力
- どのような商品にするか
- ターゲット層はどの層なのか
などをはっきりと決定することで、自分に合ったビジネススタイルを決めることが重要です。