目次
バズるとは?
「バズった」「バズる」という言葉を耳にすることはありませんか?
「バズる」とは英単語のbuzzに由来しています。
buzzは「(ハエなどが)ブンブン飛び回る」ことを意味する単語です。
こちらが主にSNS上で、「情報が短期間で爆発的に広がり、みんなが話題にするようになる」といった意味合いで使われるようになりました。
つまり、インターネット上での急速に事象や情報が拡散することを意味しています。
多くのSNSツールが存在し、個人、企業に関わらず情報を発信することが可能な今日では、個人の小話からニュース、企業CM、新商品、などさまざまな事柄に「バズる」という言葉が使われます。
「バズった」か否かは情報を話題にしている人数で主に判断されるのです。
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バズマーケティングとは?
商品を購入しようと思う時、何を参考に選びますか?
10代から30代の半分以上が、口コミを参考に購入を決めているというデータがあります。
特に、10代から20代の若者において商品の購入に至るきっかけは、SNSの情報であることがほとんどと言われています。
今まではTVや雑誌、電光掲示板や街頭の広告のなど、企業が消費者に一方的に情報を流す、マスマーケティングが主流でした。
しかし、SNSが普及し消費者一人ひとりが情報を選択、拡散できるようになったことで、マスマーケティングのみでは今までの効果が得られなくなりました。
そして、現れたのが消費者にダイレクトにマーケティングを行うバズマーケティングです。
バズマーケティングとは口コミの連鎖である「バズる」状態を、SNS上で企業が戦略的に生み出すマーケティング手法です。
企業または個人が面白い情報を発信し、発信した情報がSNSでシェアされます。
それが爆発的な話題になりブランドに注目が集まり、ブランド製品・サービスの購入につながるというのが、バズマーケティングの大まかな流れになります。
バズマーケティングの種類
バズマーケティングは、大きく2つのパターンに分けられます。
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1個人が起点となるパターン
まず、一つ目は個人の発信する情報がSNSで話題になり、それを企業が取り上げさらに拡散するというパターンです。
個人のアカウントに大手マスメディアが、情報を拡散して良いかとコメント欄でコンタクトを取っている姿をよく目にしますね。
また、多くのフォロワーを抱えるインフルエンサーに、企業が意図的に情報発信してもらうこともあります
数万~数十万人のフォロワーに、憧れの存在であるインフルエンサーが直接アピールするのは、非常に効果的なマーケティング手法です。
2企業が起点となるパターン
企業のメディアがTVやWEBやSNSで発信した情報を個人が拡散するパターンです。
よく企業CMをバズらせている会社といえば、日清が例に挙げられます。
日清は「広告は楽しくなければならない」をモットーにしており、とにかく攻めるCMで毎回話題になりますね。
著名人を起用するだけでなく、斬新なアイデアの広告は思わず笑ってしまい、思わず誰かに教えたくなります。
例えば、マンションデベロッパーの広告をパロディした、代表商品どん兵衛のキャンペーンは瞬く間に拡散されて話題になりました。
大きく情報拡散されれば、個人のリツイートだけでなくネットニュースにも記載されますから、SNSユーザー以外にも拡散が可能になります。
このように、企業発信の情報が、個人により広まり、さらにメディアを巻き込みより広く世間に認知されるパターンもあるのです。
Instagramにおけるバズマーケティング
Instagram(インスタグラム)におけるバズマーケティングについて詳しく解説していきます。
Twitterでのバズマーケティング
バズマーケティングが最初に効果的に使われたSNSは、Twitterです。
Twitterは140字という短い文字制限の中で、リアルタイムで主に文章でコミュニケーションを取るSNSです。
ツイッターには、いいね機能だけでなく、気軽に拡散できるリツイート機能があるため、不特定多数のユーザーへ拡散しやすい特徴があります。
フォロワーからフォロワーへと情報拡散ができることからツイッターはバズマーケティングに適していました。
さらに、Twitter社が独自に選択するトレンドキーワードに選ばれれば、注目投稿がすべてのユーザーのTwitter上に表示されるのです。
バズれば4,000万人のユーザーへ自社の商品をアピールができる、格好のマーケティングの市場となっていました。
好きと欲しいを効果的につなぐInstagram
Twitter(ツイッター)が文章を中心に投稿するSNSに対して、Instagram(インスタグラム)は写真や動画というビジュアルを中心にしたコミュニケーションを行うサービスです。
ユーザー数は年々増加しており、現在3,300万人以上にもなりました。
また、Instagramの機能もどんどん増えています。
など多くの機能が生まれ、また85%のユーザーがそれらを有効的に取り入れています。
また、ユーザーや機能が多いだけがInstagramのメリットではありません。
Instagramは「大切な人や大好きなことを、あなたに近づける」ことをミッションとして掲げています。
ユーザーごとにより多くの好きなことが発見できるように、アルゴリズムでパーソナライズして関連性のあるコンテンツが表示されるようになっているのです。
そしてさらに、興味関心を持ったら42%の人がブランドのプロフィールにアクセスするというデータもあります。
好きという感情からアクションまでのスパンが非常に短く、企業、インフルエンサー、消費者のコミュニケーションが盛んに行われるInstagramは、バズマーケティングにとても適した市場と言えるのです。
いいね数の非表示
バズマーケティングに適したInstagramですが、2019年にいいねの数が非表示になりました。
この決定にはInstagram側の、いいねの数ではなく写真や動画というコンテンツの本質を見て欲しいという思いが込められていました。
「インスタ映え」と言われる魅力的な写真や動画を撮りいいねをもらうことに固執するあまり、観光地や飲食店でのマナー違反をするユーザーが増え問題視されていたのです。
いいねの廃止マーケティングを行う企業に大きな影響を与えました。
いいねの数をフォロワー数と同じように、競合との比較やコンテンツの質の高さにおける指標として利用する事が多かったのです。
そしてさらに、InstagramではTwitterにおけるリツイート機能が、「リポスト」というアプリをダウンロードしなければ使えません。
気軽に動画や画像の拡散が行えないことも、マーケティングにおいてデメリットと捉えられていました。
ハッシュタグと「タグ映え」
しかし、いいねやリポストの数だけが人気や注目の指標ではありません。
Instagramでは、ハッシュタグ(#)が大きな役割を担っているのです。
「#」を文頭につけ文章を投稿すると、タップすれば同じハッシュタグが付けられている投稿の一覧を見られるのです。
日本ではこのハッシュタグ検索が非常に盛んに行われており、その数は他国の5倍にも及んでいます。
特に、若年層の間では「タグる」という言葉も使われており、Googleなどでのインターネット検索(ググる)ではなくInstagramのハッシュタグから情報収集することがメインになっているのです。
そして、ハッシュタグをタップすることで表示されるの発見タブの一覧でいかに目立つかの「タグ映え」が、Instagramのバズマーケティングで鍵を握るようになりました。
このように、ダイレクトに興味関心がリツイート数に現れるTwitterと異なり、Instagramはハッシュタグで「バズった」か否かが判断されることが多いのです。
Instagramでバズるためポイント
Instagramでバズらせるためには抑えておきたいポイントがいくつかあります。
インスタでバズる方法について詳しく解説します。
1ハッシュタグを極める!
先ほど述べたようにハッシュタグはInstagramのマーケティング上で大きな役割を担っています。
「タグフォロー」という機能も存在します。
アカウントではなくハッシュタグをフォローして関連情報を集められるのです。
企業のアカウントをフォローしていないユーザーからも、ハッシュタグから関心を得る事が可能なのです。
バズマーケティングの成功においてハッシュタグは欠かせない機能になりました。
では、効果的に使用するにはどのようにしたらいいでしょうか?
たくさんのハッシュタグをつける
Instagramでは、1回の投稿につき最大30個のハッシュタグをつける事が可能です。
しかし、ただ闇雲にハッシュタグをつけるのではスパムアカウントと認識されてしまう危険もあります。
ブランド名やキャンペーンについて認知させつつ、検索されやすい言葉(ハッシュタグ)も盛り込むなどして、できるだけ多くのハッシュタグを効果的に使うことが大切です。
限定的なワードを入れる
検索数が莫大な「ビッグキーワード」ではなく、主に「ミドルキーワード」「スモールキーワード」と呼ばれる言葉を盛り込む手法です。
例えば、イタリアンレストランの新規店舗オープンさせる告知をしたいとします。
そこで、ビッグキーワードである「#イタリアン」「#イタリアンレストラン」と投稿しても、毎日たくさんの投稿がそのハッシュタグで投稿されているため埋もれてしまいます。
あまりにも包括的すぎてユーザーもどのような形態かイメージしづらいですね。
そこで、ミドルキーワード・スモールキーワードである「#一軒家イタリアン」「#世田谷イタリアン」「#カジュアルイタリアン」などのハッシュタグを付けてあげると、競合相手がぐっと少なくなるので検索上位(人気投稿)に長い間残ることが可能になります。
ビックキーワードと言われる商品や企業の形態を表す言葉にミドルキーワードとスモールキーワードを効果的に織り交ぜることで、バランス良くアピールすることが可能です。
ハッシュタグキャンペーンを利用する
企業が画像と共にキャンペーン文面を記載し、規定のハッシュタグと共にユーザーから画像もしくは動画の投稿を募るいうキャンペーンです。
スマートフォン一つでユーザーが参加できる手軽さと、フォロワー以外にも拡散できるリーチの広さが特徴です。
例えば、ハウスメーカーのは積水ハウスでは、定期的にフォトコンテストを実施しています。
「#おうちで過ごそう」「#愛着のある家」などのテーマと共に、オーナーの自宅写真を投稿してもらい、当選者には特典が用意されるものです。
入居後の具体的なイメージを拡散することと同時に、企業もユーザーの意見をフィードバックすることが可能になります。
Instagramはユーザー参加型キャンペーンに非常に適したツールですので、ハッシュタグキャンペーンのように利用すればバズる状況を作りやすいのです。
2インフルエンサーを起用したキャンペーン
Instagramには、特定のジャンルに特化し多くのフォロワーを集める「インスタグラマー」と呼ばれるインフルエンサーが多数存在します。
消費者視点の情報発信が、ユーザーの購買意欲にダイレクトに働きかけることから企業からのPR依頼を請け負うことが近年増えています。
また、インフルエンサーは、フォロワーとの積極的なコミュニケーションを実行しているため、情報収集にも適しているのです。
コメント欄やストーリーズのQ&A機能などを利用しているケースが多く見られますね。
このように多数のフォロワーを持ち、消費者から信頼が高いインフルエンサーは、バズマーケティングの個人単位での情報発信、収集者に最も適していると言えます。
3視覚的なインパクトを与える
Instagramは視覚的な訴求に優れたSNSです。
バズマーケティングにおいても、写真や動画のクリエイティビティに優れていることは欠かせない要素です。
アニメやキャラクターを利用したり、あえて「映えない」コンテンツを利用したりと、企業の戦略は多岐にわたっています。
Instagramではないですが、JR東日本のSKISKIキャンペーンの駅の広告は代表的な例と言えるでしょう。
ブレイク間近の美人タレントのアップ写真は強烈なインパクトを与え、「また見たい」「誰かに話したい」というユーザーの衝動に働きかけ、毎年話題になりますね。
また、動画だけでなく文字でインパクトを与えることも大切です。
例えば、「絶対◯◯します」「◯◯でなければ全額返金」などの断言は、商品やサービスへの自信とも受け取れユーザーを強く惹きつけますね。
「映え」を、写真、動画、文字など多方面に仕掛けることが成功の秘訣と言えます。
バズマーケティングを利用するメリット
バズマーケットは費用対効果の高い、非常に効果的なマーケティングの手法です。
しかし、良い情報だけでなく悪い情報もすぐに拡散されてしまうため、諸刃の剣とも言えます。
まずは、バズマーケティングを利用する上でのメリットについて紹介します。
費用を抑えて、爆発的な情報拡散が期待できる
先述したとおり、一度バズらせることができれば、ネット上のメディアで取り上げられる可能性もあるので、Instagramユーザー以外への認知の拡大が可能になります。
多大な広告費をかけなくても、一度の投稿でインパクトを与えれば口コミで広まっていくのは、ユーザーと企業、インフルエンサーが、密につながっているInstagramならではのメリットと言えます。
バズらせることが最もコスパの良い広告となります。
UGCを生み出し消費者同士での情報が期待できる
口コミは信憑性の高い情報として認知されています。
そして、口コミを扱うユーザーによって作られたコンテンツはUGC(User Generated Content)と呼ばれ、マーケティングにおいてとても大きな役割を担っています。
元々食べログやアットコスメなど口コミを扱うサイトを指して使われることが多かったのですが、SNS上にもハッシュタグやいいねを通して、ユーザーの間でUGCが生まれる事例が増えました。
ユーザー同士の間で情報拡散、推奨行動が生まれるのです。
消費者目線のユーザーの発信する情報は、リアリティが感じられて信頼度が上がります。
口コミをただ「集める」だけでなく「広める」ことができるのは、SNSを使用したマーケティングのメリットと言えます。
バズマーケティングを利用するデメリット
バズマーケティングにはメリットがたくさんあります。
しかし、メリットばかりではありません。
デメリットもありますので、事前に把握しておくべきです。
特に企業で運営しているSNSアカウントの場合は、信用問題がありますので慎重になるべきです。
一度失った信用を取り戻すのは苦労します。
商品や企業へのネガティブなイメージも拡散されることがある
爆発的な情報拡散が期待できるInstagramですが、それは発信したい情報に限りません。
例えば、アメリカのマクドナルドがTwitter上で「幼い頃のマクドナルドの思い出」をテーマに文章を募集するキャンペーンを行いました。
企業が期待したのは「温かな思い出」などのポジティブなエピソードでした。
しかし現実は違って「労働環境の劣悪さ」「商品の質の低さ」など、ネガティブなエピソードばかりが投稿され、企業のイメージダウンに繋がっていました。
このように、ユーザー感で共感認識が生まれると瞬く間に情報が拡散されるという、バズマーケティングの特性がマイナスに働く例もあるのです。
炎上すると火消しがしづらい
バズマーケティングは先述したように、マイナスイメージが拡散し、企業の印象を下げてしまうというリスクを抱えています。
そしてさらに、ネガティブなイメージの拡散の暴走、いわゆる炎上と言われる事態も歯止めを利かせることが難しいのが、UGCを利用するバズマーケティングのデメリットです。
炎上を招くケースは多くあります。
炎上する例
- SNSの担当者が誤操作で私的アカウントと間違えて、私的な内容を投稿してしまう。
- 商品の欠陥、例えば、食品の異物混入や店舗での接客の至らなさなどが指摘され広まる。
- インパクトを狙うあまり不適切な表現をしてユーザーに不快な思いをさせてしまう。
炎上してしまったら、落ち着いて状況を把握し、必要であれば謝罪するなど、冷静かつ迅速な対応が求められます。
Instagramで成功したバズマーケティングの事例
それでは、Instagram上で実際に成功したバズマーケティングの事例を紹介します、
ハーゲンダッツ
アイスクリームメーカーのハーゲンダッツでは2016年から「幸せのハーゲンハート探し」というキャンペーンをはじめました。
アイスクリームの蓋を開けた時に見えるアイスクリームの窪みをハートに見立て、その写真を「#ハーゲンハート」というハッシュタグ共にユーザーに投稿してもらうキャンペーンです。
「ハーゲンハート」という言葉は瞬く間に浸透し、2021年現在では1万件以上の「#ハーゲンハート」の写真が投稿されています。
ハーゲンダッツは、バズマーケティングが得意な企業として知られています。
また、新型コロナウイルスの流行防止のため自宅謹慎が推奨された2020年は「おうちシネクリ」をテーマにとして、自社商品クリスピーサンド共に家で映画をみようというキャンペーンはインフルエンサーを起用し行いました。
高級感のある自社イメージを損なわず話題になるという、理想的なバランスのバズマーケティングを多数行っています。
企業のマーケティング担当者は、ハーゲンダッツ社の行う試作を要チェックです。
いなばペットフード「CIAO ちゅーる」
こちらは自社アプリと連動しバズることに成功した事例です。
このキャンペーンではまずユーザーは企業CMにそっくりな動画が作れる「ちゅーるメーカーアプリ」をダウンロードし、ペットが自社商品と共に映っている動画を作ります。
その動画をSNS上で「#ちゅーるメーカー」ハッシュタグ共に投稿すると、TVCMに動画が流れるチャンスが貰えるというものです。
ペットを愛するユーザーの間で「やってみたい」という共通認識が爆発的に広まり、Instagramでは3.4万件のハッシュタグが生まれ、盛大に「バズる」ことに成功しました。
ヤマト運送株式会社
動画を利用したマーケティングの事例です。
インスタドラマとして「新人ヤマトくん」という自社作成ドラマをInstagram上でシリーズドラマ化し、その期間にフォローといいねをしたユーザーに抽選でプレゼントをするというキャンペーンです。
イケメン俳優の鈴木仁さん(@jin_suzuki_722)と有名監督の住田崇さんを起用した本格的なドラマは話題になり、ドラマ放送後のコメント欄には200件を超えるメッセージが投稿されました。
フォロワーも1.7万人に急増し、ブランドの認知とイメージの向上に大きくつながりました。
バズればいいというわけではないので要注意!
「バズったコスメ」「バズった食べ物」などの単語が生まれるほどに、SNSにおけるバズマーケティングは日常に根付いたものになりました。
ユーザーの口コミで拡散する情報は、もはや企業から一方的に発信される情報よりも信憑性と価値があると認識されているのです。
ハッシュタグの数やフォロワー数の推移など、具体的な数値で成功か否か判断されがちですが、多くの人に話題にされることがバズマーケティングにおけるゴールでは決してありません。
企業の課題や目的を明確化し、ユーザーにとって有益な情報が拡散されること、認知が広がることでフィードバックしユーザーの共感を得る商品やサービスを作って初めて、バズマーケティングが成功したと言えるのです。
ユーザーとの距離が近いInstagramで効果的にバズマーケティングを使い、より良いブランドや商品のための一歩を踏み出しましょう!