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IGTVとは?どんな特徴がある?
IGTV(アイジーティービー)とは、Instagramの動画共有機能の一種で、最長60分のスマホ全画面表示の動画をフィードやストーリーにも投稿できるサービスのことです。
Instagramは、2018年6月に「IGTV」を発表しました。
それまでもフィードへの動画投稿は可能でしたが、最大1分という時間制限や、正方形は1:1・横型は1.91:1・縦型は4:5といったサイズの規格制限があったりと、不自由さがありました。
対して、IGTVは、スマートフォンの特性に合わせた縦型フルスクリーン表示・60秒〜15分(認証アカウントは最大60分まで)の長尺投稿への対応・IGTV専用アプリでの利用とInstagramとの連携利用どちらにも対応可能など、かなり柔軟性に富んだSNSアプリとしてリリースされたのです。
IGTVアプリには、Instagramのフォロー・フォロワー情報がそのまま適用されます。
これまで投稿できなかったサイズの動画をIGTVに投稿することで、現状のフォロワーへ動画コンテンツをより届けやすくなった点が特徴です。
具体的には、プレビュー動画(1分間)のフィード投稿・ストーリーズへのシェア機能・ハッシュタグやリンク、テキストを動画そのものに付けられる機能などがあります。
そのほか、Instagramのフィード投稿と同様にFacebookとの連携や、投稿数が増えても目的の動画が探しやすいように、シリーズという機能を使ってカテゴリー分けをすることもできるようになりました。
このような数々の新機能から広告宣伝ツールとしての有効性を強く発揮している点も、IGTVの特徴と言えます。
また、視聴する側としては、IGTVは自分用にパーソナライズされるため、自分が興味を引きそうなクリエイターやフォロー中のクリエイターの動画が簡単に目に入ります。
ここでも上記で紹介したシェア機能を使えば、友人と好きなクリエイターの動画を共有でき、似たような好みのフォロワーを獲得することもできます。
動画を投稿する側も、視聴する側もより自由度が高く、好きな人たちと交流を持っていけるのがIGTVの強みです。
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Instagramでの動画
投稿やYouTubeなどとの違い前述したように、Instagramのフィードへの動画投稿とは投稿できる動画の長さや動画サイズの違いがありますが、現在、Instagramではリールという新しい動画投稿機能も追加されています。
このリールはIGTVとは真逆で、15~30秒の短尺動画をリール専用タブに投稿できます。
リールは「インスタ版TikTok」とも呼ばれています。
投稿されている動画のニュアンスとしてはストーリーズに若干近い雰囲気を感じるかもしれませんが、IGTV同様にテキストをリール自体につけて投稿できる点が大きく違います。
また、IGTVは長尺動画を投稿できるので、YouTubeとの差別化が図れないと感じる方もいるのではないでしょうか。
一部でIGTVは、「インスタ版YouTube」と呼ばれつつも、IGTVとYouTubeの違いは大きくあるように思います。
YouTubeと違って、IGTVは
- 縦長の画面のままフルスクリーンで表示ができる
- リンクを動画自体に添付できる
- 対応ファイル形式はMP4のみ
- 解像度はハイビジョン画質である720ピクセル以上が条件である
などで大きな違いがあります。
IGTVは、YouTubeに引けを取らない動画投稿のフォーマットです。
視聴のみのユーザー視点から考察しても、IGTVはアプリを開いた瞬間に動画が流れてきてスワイプするごとにまた動画がどんどん表示されるというのも、YouTubeやTikTokとの違いであり、画期的な新機能です。
とは言っても、動画編集のハードルが高く感じる方や、スマートフォンのみで気軽に使いたいという方にも十分満足してもらえる仕様であり、何より誰でも簡単に使えるところがIGTVの唯一無二の特徴と言えるでしょう。
「視聴」「投稿」「動画編集」のやり方・方法について
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アプリごとの視聴方法
IGTV動画の視聴は「Instagramアプリ」と「IGTVアプリ」どちらからも可能です。
Instagramから視聴する場合は、ストーリーズやフィードに共有されているプレビュー動画の下の方に表示されているIGTVのマークをタップすると、動画本編が流れ始めます。
そのほか、画面下の5つのマーク内にある虫眼鏡マークをタップし、検索バーの下に表示されているIGTVという文字をタップすると、さまざまなIGTV動画が表示され、クリエイターを検索することもできます。
IGTVアプリから視聴する際は、画面下のコンパスマークからおすすめ動画や配信中のライブを一覧で見たり、もちろんキーワード検索やアカウント名で検索したりすることも可能です。
また、さまざまな画面タップの方法によって便利な使い方ができます。
例えば、画面の左右どちらかをダブルタップすることで10秒巻き戻し・10秒早送り、左右にスワイプすることで前後の動画に移動、などの機能があります。
なお、画面の長押しで似たような動画の表示頻度を減らすことも可能です。
動画のアップロードと投稿方法
まず、IGTVアプリにアップロードする際は、下記の5つの条件を満たしているか確認しましょう。
IGTVの動画フォーマット条件
- 拡張子:MP4
- 動画の長さ:1分〜15分(認証アカウントは最大60分まで可能)
- 縦横比:9:16または16:9
- 解像度:720ピクセル以上
- ファイルサイズ:650MB以内(認証アカウントは3.6GB)
IGTVは、
- IGTVアプリ
- Instagramアプリ
- PC
から投稿することが出来ます。
それぞれの投稿方法について解説します。
IGTVアプリからの投稿方法
条件を満たした動画を選択肢、カバー画像の選定を行います。
タイトルやキャプションを入力したら、「シリーズに追加」をタップし、自分の投稿する動画に合わせてシリーズを作り、カテゴリー分けをして完了です。
Instagramアプリからの投稿方法
InstagramアプリからIGTV動画を投稿する場合は、
自分のプロフィール画面から右上の「プラスマーク(+)」をタップします。
作成という表示から「IGTV」を選択します。
動画を選択したら「タイトル」と、任意で「説明」を入力します。
そのまま投稿したい動画を選択すると、フィードへプレビュー動画が投稿されて完了です。
PCからの投稿方法
IGTV動画はPCからも投稿できます。
クオリティが高く容量の大きい動画をアップロードできるという点でも納得の機能でしょう。
投稿手順は以下の通りです。
- PCからInstagramアカウントにログイン
- 自分のプロフィール画面からIGTVタブをクリック
- アップロードボタンから動画を選ぶか、動画ファイルをドラッグ&ドロップ
- タイトルと説明を追加
- 「投稿」ボタンをクリック
カバー画像(サムネイル)も別途でアップロードする箇所があり、よりこだわった動画が投稿できます。
この辺りの仕様はYouTubeと近い部分もあるように思いますが、細かい設定などが少ないので、比較的使いやすい手頃なSNSという感覚のままスマートフォンからの利用の延長線上として、誰でもチャレンジしやすいのではないでしょうか。
効果的な動画編集ポイント
ポイントとしてはYouTubeへの投稿と似ている点かもしれませんが、カバー画像(サムネイル)は動画中の目に付く部分を選ぶか、別途でカバー用にデザインした専用の画像を選ぶのがおすすめです。
パッと見で目を惹くサムネイル画像は、人に視聴してみたいという心理にさせることができます。
また、縦長フルスクリーンでの再生となることを前提とした編集も必須です。
できる限り縦型の動画にすることで、IGTVらしさも出て、スマートフォンから利用しているであろう多くのユーザーに届きやすくなります。
逆を言うと、横型に撮影・編集してしまうとYouTubeとの差別化も図りにくくなり、IGTVに投稿する意味が半減されてしまうでしょう。
そして、最も大切なのは動画を長すぎないサイズに編集することです。
何を一番伝えたいのかがわかりにくく、ただ長い動画は、情報発信のコンテンツとしては魅力が下がってしまいます。
伝えたいことがはっきりと、また過不足なく伝わる時間配分に編集されていることが重要です。
そして、こういった点を踏まえていくこととInstagramアカウントとの世界観を統一していくことで、よりユーザーの目を惹くでしょう。
これらのポイントを踏まえた動画の作成を、ぜひお試しください。
特性を活かした使用例とIGTV広告について
IGTVはインスタライブを配信後に動画として保存しシェアする機能もあります。
そのため、たとえば商品の宣伝などをインスタライブで生配信し、その動画をIGTVに投稿(保存してシェア)することで、そのまま広告素材として残せます。
コロナ禍においてライブ公演ができなくなったアーティストなども、インスタライブで配信ライブを行い、IGTVへシェアする動きがよく見られました。
YouTubeライブとは違い、発信する側も視聴する側もスマートフォンのみでより手軽に完結できるので、今後より一層こういった機能を使っていくことでマーケティングもしやすくなるでしょう。
そして、2020年10月からは日本でも、インスタライブの配信者へ向けて視聴者が投げ銭ができるバッヂ機能をスタートさせました。
これまでも、SHOWROOMや17Liveといったライブ配信サービスで収益を上げることはできましたが、インスタライブでも同様に、フォロワーが購入したバッヂの金額に合わせて収入を得られるシステムができたのです。
このバッヂは、120円・250円・610円の3種類あり、1回の配信につき1個購入できます。
また、2020年6月上旬からアメリカではバッヂ機能と同時に「IGTV広告」というサービスも追加されました。
これは、IGTVを再生した際に最長15秒の広告つけられる機能です。
挿入した広告の再生回数に応じて広告収入を得られるシステムとなっており、YouTubeの広告収入と似たような仕組みをIGTVでも利用できる日が日本でも近づいてきています。
このように、IGTVの特性を活かして広告ツールとして利用する事例が、今後ますます増えていくのではないでしょうか。
IGTVをビジネスに活用している企業例
日本でもIGTVを活用している企業やインフルエンサーが増えてきています。
ここでは、フォロワー数も多く、かつ動画の内容も前述のポイントを押さえて成功していると思われるアカウントと、その活用例をご紹介します。
C CHANNEL
動画情報メディアとして有名なC CHANNELですが、Instagramアカウントは複数あります。
ヘアアレンジやメイク、DIYに関する動画メインの「@cchannel_girls」、姉妹メディアのmamatas(ママタス)とのコラボ動画なども配信しているレシピ紹介などがメインの「@cchannel_food」、美容やメイク情報に特化した「@cchannel_beauty」、ニュースや恋愛などのエンタメがメインの「@cchannel_entertainment」といった風にジャンルごとに分かれたアカウントは、ほとんどが50万以上のフォロワーに支持されています。
動画のほとんどが1分前後、長くても3分以内となっており、編集に関しても世界観が統一されているので、すぐに「C CHANNELの動画だ!」とわかる点や最後まで飽きずに見られる工夫が盛り込まれています。
また、幅広い層に支持されるような、コンテンツとしても親切な内容・動画編集のため、多くのユーザーに親しまれているのでしょう。
インスタグラマーゆうこす
インスタグラマーのゆうこすさん(@yukos0520)は、自身でも発信しているように、IGTVにいち早く着手しインフルエンサーとしての地位を強固に確立していきました。
現在は、ほとんどがインスタライブを保存しIGTVにシェアされていますが、やはり自身が強みとする美容やファッション関連の内容であることと、フォロワーにとっての憧れ、かつ親近感の湧く存在であることが配信ライブというツールで活かされています。
それを何度でも見られる、投稿としてまとめて保存できるという点で、IGTVとの相性が良い例の代表と言っても過言ではないでしょう。
DELISH KITCHEN(デリッシュキッチン)
300万人以上のフォロワーに支持されるデリッシュキッチン(@delishkitchen.tv)のアカウントは、1分半〜3分程度のレシピ動画を中心にたくさんの動画をIGTVに投稿しています。
閲覧数はほとんどの動画が20万件を超えており、その人気の高さがはっきりと数字に表れています。
スマートフォンの縦長画面に合わせた、かつ画像として見慣れたテイストの編集は、見やすさと親近感が湧きやすい世界観です。
長すぎず目に留まりやすいキャプション、スクリーンショットを撮ると動画ではなく静止画として編集したかのように見える点などが、多くのユーザーに届く要因ではないでしょうか。
Onnela(オンネラ)
Onnela(@onnela.tv)では、家事や収納テクなど暮らしに役立つライフハック情報を発信しています。
IGTV動画は2分以内で短く見やすいものが多く、編集もシンプルなテイストです。
企業アカウントとしては珍しく、ユーザーからのコメントに丁寧に返信をしており、コミュニケーションを盛んに取っているのも特徴です。
こういった点から、幅広い層のフォロワーやファンが増えていると言えるでしょう。
CHANEL(シャネル)
日本の企業ではないですが、世界的ファッションブランドであるCHANEL(シャネル)(@chanelofficial)はファッションショーの映像をIGTVで惜しみなく公開しています。
「ランウェイを歩くモデルの姿を縦型フルスクリーンで見る」というのは、他のどの動画よりもIGTVにフィットしているのではないでしょうか。
また、一つひとつの映像クオリティが高く、さまざまな著名人のインタビューも多数あり、全世界のユーザーの目を惹きつけています。
Alicia Keys(アリシア・キーズ)
こちらも企業ではなく海外アーティストですが、Instagramのフォロワーが2000万人を超えるアリシア・キーズ(@aliciakeys)はライブや音楽制作の映像だけでなく、自身のブランドの宣伝、世の中へのメッセージなど多岐にわたってIGTVを活用し発信しています。
YouTubeを開くことなく、すべての情報がInstagramを主軸にして届けられることを、率先して行っているアーティストです。
インサイト機能とは?
ここまで紹介してきたように、ビジネスシーンにおいてIGTVやInstagramを利用する場合、インサイトは非常に重要な機能でしょう。
インサイトとは、再生数やいいね・コメントの数、平均再生率などのデータを確認する機能です。
IGTVでの再生数の基準は、動画が最低3秒再生されたら1回再生、となっています。
投稿した動画の下方にいいねやコメントのアイコンがありますが、その右端にある「…」をタップして「インサイトを表示」を選ぶと詳細が出ます。
このオーディエンスリテンションのデータは、動画を投稿したアカウントでしか確認できない仕様です。
実際に、有名なインスタグラマーでも平均再生率は初めの1分程度で一気に下がっており、IGTVやInstagramの特性がよく反映されています。
それはどういうことかというと、IGTVは左右スライドや上下スワイブで簡単に他の動画へ移動ができることと、ストーリーズのように短い動画をテンポよく見たいユーザーが多いということです。
それだけ多くのユーザーの目に入る可能性は高いですが、最後まで興味を持たせることの難易度も高いでしょう。
このような点からも、動画ごとにユーザーの反応を数値化したデータが見られるインサイト機能を活用し、戦略的なマーケティングを行ってみてはいかがでしょうか。
まとめ
IGTVは、これまでのInstagram動画投稿の枠を超えて、最大15分(認証アカウントは60分)の動画を縦型フルスクリーンで再生できるアプリとしてリリースされました。
Instagramとの連携も簡単で、独立した専用アプリとして利用することもできますが、InstagramアプリのみでIGTVを利用することももちろんできます。
インスタ版YouTubeとも呼ばれるIGTVですが、縦型フルスクリーン表示であることやハッシュタグやリンクなどを含めた文章を動画そのものに付けられる点が、ほかのツールと一線を画す部分でしょう。
さまざまな可能性を秘めるIGTVですが、ビジネスシーンにてマーケティングツールとして利用するには、Instagramのアカウントやほかの動画との世界観を統一させることが重要です。
短時間でユーザーの心を掴み、より最後まで見たいと思わせる・飽きずにサクッと最後まで見られる工夫がどれだけできるかなど、日々動画編集のブラッシュアップも求められます。
なお、このような改善を繰り返していくために、ユーザーの反応を解析する機能としてインサイトというものがあります。
最低3秒の再生で1再生とカウントした再生回数を元に、平均再生率が動画の分数ごとにグラフ上で可視化されるので、どの辺りまで何%のユーザーが動画を見たか一目瞭然です。
できる限り初めの方にインパクトを持たせることやサムネイルも目を惹くデザインにするなど、必要なアイデアも浮かびやすくなるでしょう。
IGTVをうまく活用し成功している企業アカウントとしては、「C CHANNEL」や「DELISH KITCHEN」などがあります。
これらのアカウントも、3分以内の短尺動画が多く、スマートフォンの自然な持ち方である縦型を意識した編集がされています。
クリエイターの方は参考にしてみてはいかがでしょうか。
また、2020年6月上旬からアメリカの一部のクリエイターと企業と中心にIGTV広告という新機能のテスト運営が始まりました。
IGTV動画を視聴中に最長15秒の広告動画が流れるもので、広告収入が可能になるシステムです。
同様に、2020年10月から日本でもインスタライブにおける新機能として、バッヂ機能という投げ銭システムも始まりました。
日本ではまだ馴染みが薄いこれらですが、今後こういった機能がより拡充し、クリエイターがより独立して活動できるようなサポートとしての役割を果たしていくでしょう。
このように、IGTVはInstagramの可能性をさらに大きく広げ、一つのSNSでクリエイターが収入まで得られるようにどんどん進化しています。
スマートフォンのみで誰でも気軽に利用できる強みと、PCから容量の大きいハイクオリティの動画も投稿できる特長を活かし、目的に応じて使いこなしていきましょう。