目次
住宅業界のインスタグラム成功事例
住宅業界の企業で、インスタグラムアカウントの運用に成功している事例を紹介します。
名だたる大手企業が多いですが、人的リソースを確保出来れば、企業規模には関わりなく十分に有効なアカウント運用が可能です。
積水ハウス(@sekisuihouse)
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積水ハウスは、「住まいづくりと暮らしに役立つ情報をご紹介」をコンセプトにインスタグラムでアカウントを運営しています。
フォロワー数は現在10.4万人と人気のアカウントとなっています。
特徴は「#積水ハウス」を付けた投稿は同社がチェックし、オーナーの投稿は積極的にシェアするというマーケティング戦略を採っています。
人の暮らす空間にフォーカスしたビジュアルが多く、住宅そのものだけでなく、ライフスタイル提案型になっている点が特徴です。
ハッシュタグは「#家族」「#つながり」「#大空間」など、実際に住宅内にいる人の目線を大事にした投稿に特化していると言えます。
ヘーベルハウス(@hebelhaus_official)
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へーベルハウスは、5.4万人のフォロワー数を持つアカウントです。
投稿頻度は、1週間に約1回となっています。
いずれの投稿も複数枚の写真で構成されていて、様々な角度から住宅内を撮影した写真が掲載されています。
また、紹介する住宅はどこの展示場で見ることが出来るのかを、丁寧に説明していることで、人気を集めています。
ビジュアルの内容は比較的インテリア重視で、他にお役立ち情報、オーナーの家族の集合写真などが多く見られます。
ハッシュタグは多種多様で、「#木のある暮らし」「#趣味の時間」など、紹介している住宅のコンセプトを細かくハッシュタグにて掲載しています。
ダイワハウス (@daiwahouse_official)
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ダイワハウスは、「こだわりの家とオーナー様の素敵な暮らしをお届けいたします。」をコンセプトにアカウント運用しています。
ダイワハウスの投稿の特徴は、洗練された住空間のビジュアルを多数投稿しているのことです。
基本的にイメージ重視ですが、単に豪華な内装を見せたいというのではなく、住宅の機能を紹介する内容になっている点に注目出来ます。
ハッシュタグにもマーケティング要素がしっかり盛り込まれ、「#家づくりアイデア」や「#こだわりの家」、「#空間デザイン」など、ユーザーが知りたいと思って検索するワードを意識したタグ付けがなされているのです。
キャプションにて、各写真ごとの見るべきポイントを説明していて、誰が見てもアピールポイントが分かるようになっています。
住友林業(@sfc_ie)
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住友林業は、フォロワー数6.1万人を持つインスタグラムアカウントです。
投稿は主に展示されている住宅についてて物が多いです。
どこで紹介している住宅が見学出来るのかや、住宅についての詳細情報を書いているだけでなく、住宅のコンセプトについても詳しく書かれています。
投稿を見るだけで、どんな住宅でどこにあるのかが、一目で分かるようになっています。
また、定期的に見学会をインスタライブを用いて行っており、リアルタイムで気になる家を見ることが出来ます。
したがって、写真だけでは感じられない空間の良さを、インスタライブをすることで伝えることに成功しています。
セキスイハイム(@sekisuiheimfudousan)
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セキスイハイムは、リノベーション賃貸アパート事例を中心に紹介しています。
他の企業と比べると、圧倒的にシンプルなキャプションが特徴的です。
主な特徴やどこにあるのかなど、説明文は一切無く、一言コメントが書いてあるのみです。
数多くの情報が書かれることで、見ることに疲れる方がいますが、セキスイハイムの投稿はシンプルなため全く疲れが出ません。
また、気になる物件があれば、プロフィールに記載されているURLから探すことが出来るようになっています。
タマホーム(@tamahome_official)
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タマホームは、実際に住んでいるかのようなモデルルームの紹介を主に行っています。
モデルルームだからと言って、あまりにも整ったモデルルームを紹介してしまうと、現実離れしていて、見る人に親近感がわかなくなってしまいます。
アットホームな感じを出すことで、見てもらえる人を増やし、購入意欲に繋げようとしています。
キャプションには、紹介している住宅のコンセプトや、展示場の場所を紹介している他、キャンペーン情報まで記載しています。
また、ハッシュタグには、「#施工事例」「#新築」「#新築戸建て」などがあり、新築注文住宅を検討している人をターゲットにしていることが分かります。
東京建物(@brillia_bloomoi)
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東京建物は、暮らしやインテリアなどのアイデアを届けることをコンセプトに運営されているアカウントです。
投稿では、主にインテリアを紹介していて、投稿に使用されているインテリアはキャプションにて紹介されています。
したがって、投稿と同じ風景を作り出すことが出来るようになっています。
また、ハッシュタグの量はかなり多く、投稿に関連するハッシュタグが多く掲載されています。
掲載されているハッシュタグから、気になる関連事項を検索出来るようになっていて、検索の幅を広げることが出来るようになっています。
無印良品の家(@mujihouse)
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無印良品の家は、シンプルなイメージを大切にしているアカウントです。
木や白色を中心に構成されているものが多いです。
また、無印良品の家の最大の特徴としては、紹介されている投稿に使われているインテリアは、全て自社の製品で構成されていることです。
投稿を見て気に入ったものがあっても、大抵はあちこち製品を探し回らないといけないです。
しかし、無印良品の家は自社の商品内で全て見つかるため、インテリアを探す時間を取らせません。
自社製品をオシャレに使って投稿することで、住宅に関するアピールだけでなく、自社製品のアピールにもなっています。
したがって、多くの方から人気を集めています。
BESSの家(@bess_slowlife)
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BESSの家は、ログハウスをはじめ、個性的な木の家を紹介しているアカウントです。
自然に囲まれて生活することを夢見る人をターゲットにした投稿が多いです。
普通の家にはない薪ストーブがあったり、キャンプをしたりと、アウトドアが好きな人から人気を集めています。
また、近年DIYが流行っているため、DIYしたい人などにも注目を集めています。
ハッシュタグには、「#スローライフ」「#木の家」「#ログハウス」などがよく使用されていて、設定したターゲットに見てもらいやすいようになっています。
パナソニックのすむすむ(@sumai_panasonic)
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パナソニックのすむすむは、キッチンやバスルームを中心に紹介しています。
自社の製品を上手く使い、上質な住宅に見せていることが特徴的です。
また、キャプションには投稿の紹介分だけでなく、使用されている自社製品の詳細も記載されています。
自社製品のみの投稿になりますと、いかにも宣伝している感じがして、あまり見てもらえない可能性があります。
しかし、パナソニックのすむすむでは、生活感のある投稿に自社製品を使うことで、違和感なく上手くアピールすることが出来ています。
住宅業界がインスタグラムを使う理由
国内月間アクティブアカウント3,300万を突破するInstagram(インスタグラム)は、すでにTVCMにも肩を並べる勢いのメディアです。
サービス開始当初は若い世代が中心と考えられていましたが、現在は実に幅広い世代に広がり、あらゆる業界のターゲットに合致する土壌となりました。
ビジュアルをメインとする特性を活かし、ファッション業界などがマーケティングに活用し始めました。
現在では、実に様々な業界が企業アカウントを開設し、ブランディングに活用しています。
多くの企業がマーケティングにインスタグラムを活用し始めている中、住宅業界・不動産業界は巧みな戦略で認知を拡げ、新たな集客手段としていることに注目出来ます。
元々、一般のインスタグラムユーザーが自宅を紹介することや、自慢のDIY家具や内装をアピールすることで、実に多くのフォロワーを集めていました。
住宅は生活空間であり、生活空間にある空気感をより良く伝えるためには、言葉より画像や動画を活用したビジュアルの方が適しているのは当然です。
住宅メーカーや不動産会社はビジュアルで宣伝出来ることに目を付けました。
自社が抱える物件や注文住宅、理想の暮らし方をビジュアルで見せることで、非常に多くの見込み客を集客することに成功したのです。
ハッシュタグの活用が成功の鍵
インスタグラムの自由度から、投稿は住宅そのものだけでなく、物件を取り巻く住環境のアピールもすることが出来る点は有利です。
家を見たいユーザーは、外装や間取りを見たいだけでなく、どんな環境でどのような暮らしが出来るのかも知りたいと考えています。
また、どこにこだわりがあるのか、どんな特性をもった家なのかにも興味があります。
住宅について詳しく知りたいユーザーが、実際にハッシュタグ(#)検索する際に使う言葉を巧みに投稿に盛り込むことで、住宅業界はインスタグラムユーザーの興味関心を惹くことに成功しました。
ハッシュタグに関しては、よく使われるものとして、「#住宅」「#家」といったキーワードだけではありません。
「#インテリア」「#家具」といった切り口や、「#空間」「#階段」といった切り口など、様々な角度から切り込むことが出来ます。
様々な角度で切り込むことで、今まで家を買うこと、自宅を手入れすることに曖昧なイメージしかなかった潜在顧客層に、ダイレクトにアピール出来る広告が完成しました。
なんとなく家が気になってインスタグラムを眺めていたユーザーに、実際の購買行動に繋がる道を見せる結果になりました。
インスタグラムを活用するためのポイント
住宅業界は、すでに本腰を入れてインスタグラムでの集客活動を進めています。
何はともあれ、まずは人の目を集めなければなりませんが、どのようなポイントを押さえれば良いのでしょうか。
押さえるべきポイントを知るには、まずインスタグラムの特性と、なぜ住宅の広告に最適なのかを正しく理解することが大切です。
視覚的訴求力をフル活用する
インスタグラムはビジュアルがメインのメディアです。
視覚的訴求力は非常に強く、ユーザーは見た目の刺激を求めてインスタグラムを閲覧する傾向にあります。
情報を提供する側は、ユーザーが何を見たいのかを知り、見たいものを提供することが重要です。
また、需要に合った情報を提供することは、ひとつの方向だけでインスタグラムを閲覧する全ての人に合致するような、都合の良いものではありません。
投稿をする際に定めたいことは、まず目的とターゲットを絞り、どんなユーザーにどのようなものを紹介したいのかをしっかり定めましょう。
例えば、条件に合う建売住宅のモデルハウスを探している見込み客と、一から理想の住宅を建てたい注文物件の見込み客とでは、見たい住宅の本質が変わってくることは予想出来ます。
いずれにしても、見込み客が投稿のビジュアルを見た時に、「求めていたものは、まさにこれかもしれない」と思える、理想のビジュアルを投稿することが重要だと言えます。
ITリテラシーの高い顧客を獲得する
インスタグラムの利用者は、センスの良さやトレンド感度の高さにこだわりがあるユーザーが多い特徴があります。
こだわりのあるユーザーの目に留まることが出来れば、自動的に情報が拡散され、大きな費用対効果を得ることが可能です。
プロフィールページに自社HPのURLを貼っておくと、ITリテラシーの高い見込み客の流入を促す期待があります。
そもそも、インスタグラムのユーザーの多くは、SNSなどのネットワークに関心の高い層ですので、共感を得られれば訴求効果を一気に高めることも可能です。
ただ、情報が拡散されたり、訴求効果を高める展開に力を入れるなら、積極的にユーザーと密なコミュニケーションを図ることが大切です。
コメントに対する返信、DM(ダイレクトメッセージ)の送信など、きめ細かな対応でファンのコミュニティを形成しましょう。
物件の位置情報も掲載する
インスタグラムには、投稿にハッシュタグ(#)と位置情報を付けられる機能があります。
紹介物件を投稿する際にはハッシュタグと位置情報機能を利用し、特定のエリアに絞ってターゲットに訴求することが可能です。
建売住宅にしろ注文住宅の提案にしろ、自社が求めるターゲットユーザーに的を絞ることが重要です。
特に住宅や不動産は、「場所」も重要な要素となります。
特定エリアで住宅の購入を検討しているユーザーにアピールすることで、より高い流入を見込めます。
住宅購入に対して積極的な姿勢のユーザーを集めやすいということは、購入率の引き上げにダイレクトに繋がる期待があります。
インスタグラムの運用目的
インスタグラムは、単にビジュアルを投稿するだけのプラットフォームではありません。
目的に合わせて運用方法も選ぶことで、より高い費用対効果を生むことが出来ます。
何より重要なのは、あらかじめ「運用するアカウントは何を目的として運用するか」を決めることです。
もちろん、各社とも目指す詳細は異なりますが、本記事では、一般的な目的について紹介します。
有益コンテンツ発信
ユーザーが「見て良かった」「ためになった」と感じられる有益なコンテンツを定期的に発信することで、ファンを囲い込むことを目的にすることが出来ます。
自社アカウントを、プロからの情報収集の場として認識してもらえれば、多くのフォロワーを獲得し、より購入確率の高いユーザー層を取り込むことが出来ます。
例えば、「間取りを決めるコツ」や「センスの良いデザイン選びとは」など、ユーザーが住宅を購入する際に、得になる情報を発信することで、より住宅購入への憧れを抱いてもらえることになります。
ライフスタイルイメージの提案
「こんな家に住めばこんなライフスタイルが実現する」といったように、イメージをメインに情報を発信することは、企業がアカウント運用するための方法のひとつです。
イメージをメインに情報を発信する場合、例えば、住居のビジュアルだけでなく、テラスでのんびりする姿、おしゃれなキッチンで料理する姿などを描き出すことが有効に働きます。
魅力的なイメージから夢や憧れを抱いてもらい、自社物件なら「こうした生活が実現出来る」というメッセージを持たせることで自社HPへ誘引します。
また、ビジュアルを見ているだけで幸せな気持ちになれるというユーザーを集めることで、アカウントのフォロワー数をアップさせる機動力にもなります。
実際の物件写真、施工事例などのみを掲載するより、集客しやすい手法です。
コミュニティの形成
主にブランディングを目的とした運用の場合、ユーザーと積極的にコミュニケーションを取り、ファンを獲得することでコミュニティを形成することが出来ます。
最初からターゲットユーザーに絞り込むことは出来なくても、徐々にコミュニティが成長するにつれ、実際に購買行動に移る見込み客を呼び込む道に繋げるのが目的です。
インスタグラムには以下の機能が備わっています。
上記のインスタグラムに備わっている機能を活用して、ファンの輪を広げましょう。
ただし、きめ細かにユーザーに対応しなければ継続出来ないマーケティング手法のため、人的リソースの確保は必須です。
ユーザーの心を掴む投稿のコツ
住宅をメインに投稿しているインスタグラムアカウントは多く、紹介した企業はもちろん、一般ユーザーやインフルエンサーなどもたくさん存在します。
個人でも6万人近いフォロワー数を誇るアカウントもありますが、個人の強みは何よりも「実際にその家に暮らしている」というリアリティです。
企業はリアリティという点に関しては、自社では表現し難い部分になりますので、実際に自社で住宅を購入してくれた顧客からの投稿をフル活用し、リアルな口コミとしてシェアするという手段を採っています。
ただ、やはり個人インスタグラマーには及ばない部分もあり、企業も学ぶべき点は多いと言えます。
果たして人の関心を集めるコツとは、どのようなものなのでしょうか。
デメリットもあわせて述べる
どうしても企業は自社のマイナス面は隠そうとしがちです。
個人の立場であれば、メリットだけでなくデメリットも述べることが出来るため、信頼性され、ユーザーを勝ち取る武器になっています。
とはいえ、デメリットを述べることは企業としては中々難しい部分ではあります。
ただ、ある側面から見るとメリットだが、他の側面から見るとデメリットにもなり得るといった情報があれば、正しく情報を伝える姿勢が大切です。
投稿頻度を高める
先に紹介した企業アカウントは、大企業としてはかなり頻繁なペースで投稿を継続しています。
といっても、やはり週1回程度が限度ですが、人気インスタグラマーは空けても2日おき程度とかなり頻度が高く、常に新しい情報を発信しています。
企業が人気インスタグラマーの投稿ペースに追いつくことはかなり難しいですが、やはりユーザーの興味を惹き続けるためには、投稿の回数は大きな要素と言えます。
またフォロワーへのコメントの返信、質問への回答などは、決して時間を空けず、常にこまめに対応することが重要です。
何をどう見せるか構図を練る
企業アカウントの写真は、竣工写真のように美しく綺麗な仕上がりになっていることが多いです。
ただ、ユーザーが常に加工された写真のような美しいビジュアルばかりを求めるということはありません。
上手なインスタグラマーは、例えスマートフォンで簡単に撮影したものでも、何をどう見せたいか意図がきちんと伝わる写真にしています。
重要なのは、ユーザーがどの部分を詳しく見たいかということですので、時には企業がユーザーに見せたいものではなく、徹底的にユーザー目線のビジュアルを紹介することも大切です。
また、スッキリと読みやすく、かつ内容に興味をそそられるような出来になっていれば秀逸です。
まとめ
現在数ある人気SNSの中で、インスタグラムほど住宅業界に適したプラットフォームはないです。
十分な数の利用者が存在し、明らかに業界がターゲットとする層がメインユーザーとして毎日のように眺めている訳です。
多くの人が利用しているインスタグラムをマーケティングに活用するなら、まずは目的を設定し、積極的に運用してフォロワーを集めましょう。
人的リソース面でも企画面でも、企業がインスタグラムのアカウントを運用することは容易なことではありません。
しかし、運用に成功すれば、知名度の向上や売り上げの増加などの大きな成果に繋げることが可能です。