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企業がSNSを使うのは当たり前の時代
かつて企業が広告を打つ場合は、テレビ局に依頼したり、街の看板などに広告を掲載したりするのが一般的でした。
テレビを見る人が多い場合や街に大勢の人が繰り出す時代だったらそうした広告も十分成り立っていました。
しかしながら、今では人々のメディアへの接し方は変わりつつあります。
広告塔として最も大事なことはどれだけの人の目に映るかです。
特に近年のメディアで覇権を握っていると言えるのは「インターネット」です。
パソコンやスマホが普及するに伴って、インターネットで娯楽を楽しんでいる人はいないといっても過言ではない時代になりました。
そんな中で広告戦略は変化を求められているのですが、いまだに「とりあえずこれだけやっておけばいい」と言える方法は作り出せていないのが現状です。
動画サイトに広告を出したり、記事サイトに広告を出したり、と広告の出し方は増えてきていますが、どうすれば多くのユーザーを惹きつけられるかはまだまだ模索が続いています。
そんな中で、最近では「SNS」が急速に成長しています。
ユーザーが気軽にコミュニケーションを行える手段として普及したSNSですが、最近では広告するための手段としても注目を浴びています。
多くの企業が実際にアカウントを作り、工夫を凝らした投稿を行ってはユーザーの注意を惹こうと努力しています。
インスタグラムという独特なSNS
今回は、数あるSNSの中からInstagram(インスタグラム)を取り上げます。
インスタグラムは他のSNSに比べて一風変わった戦略を採っています。
基本的にSNSは文字媒体での利用が中心で、動画や画像といったメディアは二次的な利用にとどまるものでした。
しかし、インスタグラムは画像・動画を前面に押し出したSNSとしてUI(ユーザーインターフェース)が作られています。
これまで気の利いた面白い文章を考えなければバズれなかったTwitterなどのSNSは、インスタグラムの誕生を機に大きく変化しました。
ユーザーが写真を撮るだけで気軽に投稿ができ、しかも投稿した画像が良い写真であれば簡単にバズれるようになりました。
さらに投稿を見たユーザーが「いいね」のボタンを押すだけで気軽に反応ができるというのもインスタグラムの画期的なところでした。
インスタグラムは2010年に誕生したSNSですが、発足当初から多くのユーザーを獲得していきます。
その結果、日本では現在3,000万人以上のユーザーが利用しているとされ、一般人だけでなく芸能人も多数利用するSNSとなりました。
もちろん、企業とて例外ではありません。
利用数が多ければ、その分多くの人に広告を見てもらえるチャンスが転がっています。
現在では広告だけでなく、企業が自らアカウントを開設して写真を投稿することも増えてきました。
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企業がインスタグラムを使うメリットその1:ユーザーとの距離の近さ
では、他のメディアに比べて企業がインスタグラムを使う際にメリットとなる点はどこにあるのでしょうか。
まず一つ目として「ユーザーが身近に接してくれる」という点があります。
インスタグラムは気軽に投稿できて、しかも気軽に見られる、というのをウリにしているSNSです。
文字が中心のSNSだと、一つ一つの投稿を丁寧に読まなくてはいけません。
投稿するならば文章を考えなくてはいけないため、なおさら時間がかかるでしょう。
その点、インスタグラムは画像を見るだけで良いので一つの投稿を見たらすぐ次の投稿を見ることができます。
投稿に対するリアクションも「いいね」ボタンを押すだけで良く、わざわざ文字で返信する必要はありません。
こうしたインスタの気軽さは企業系インスタアカウントでも当てはまります。
Twitterなどの文字中心のSNSの場合、一般人同士がコミュニケーションを行う分には気軽にやり取りができます。
しかし、企業系アカウントに対してリアクションをする場合、他のユーザーの目を気にしてついつい形式ばった投稿になりがちです。
その点、インスタグラムならば画像を見て「いいね」するだけでいいので、企業アカウントとも気軽に接することができます。
そうした距離の近さから、商品の感想や、こうして欲しいといった要望も他のSNSに比べて多く寄せられやすくなります。
また、文字によるリアクションに限らず、この商品には「いいね」が多くついたのでユーザーに気に入られているという分析もしやすくなります。
企業がインスタグラムを使うメリットその2:知名度を上げやすい
インスタグラムが現在世界で最も利用されているSNSであることは言うまでもありません。
それだけ多くのユーザーが使っているのならば、広告さえ上手く使えれば、企業の知名度をアップさせやすいです。
また、単に知名度を上げるという効果にはとどまりません。
自社インスタグラムアカウントのフォロワーを分析することで「どんな層に人気があるのか」を知ることができます。
例えば、若者に人気がある企業の例を取りましょう。
インスタグラムアカウントを運用し始めるまでは若者のニーズに合わせた商品を多数扱っていましたが、いざインスタグラムを始めると、中高年のユーザーからのフォローが思いのほか多かったとしたとします。
そうなれば、これまでになかった需要(潜在顧客)の開拓にも繋がりますし、企業戦略の変化にも繋がります。
企業がインスタグラムを使うメリットその3:見込みユーザーを増やせる
最近では企業のユニークなSNSの使い方が話題になることが少なくありません。
それまでその企業に興味はなかったものの「SNSの投稿が面白いから、だんだん興味が湧いてきた」というユーザーが増えつつあります。
SNSの特徴は、投稿が拡散されやすいという点です。
例えば、友達がよく使っている商品が拡散されたから、自分も興味が湧いてきた、という例が多々あります。
インスタグラムはいわば口コミが広がりやすいSNSであると言えます。
企業にとって固定客を確保することも重要であることは間違いありませんが、販路拡大のためには見込み客を増やすことも欠かせません。
少しでも自社が売り出している商品に興味を持っていれば、売り上げを拡大することに繋がります。
企業がインスタグラムを使う際の注意点
ここまでは企業がインスタグラムを使うメリットを紹介してきました。
だからといって無条件でインスタグラムを始めるべきだ、というわけではありません。
「仮にインスタグラムを始めたものの、思うようにフォローが増えなかった」となったとします。
そうなってしまったら企業のイメージにも差し支える事態になりかねません。
「あそこはフォロワーが少ない企業だから、きっとあまりいい商品を出していないのかもしれない」とマイナスなイメージを植え付けてしまうリスクもあります。
いかに実績のある企業といえど、SNSでは平等に扱われます。
たとえ、実績のない企業だろうと、バズって人気が出さえすれば一流企業に躍り出る可能性があるのがSNSです。
ここからは企業がインスタグラムを利用する際に押さえておきたい注意点を述べていきましょう。
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インスタグラムには向き不向きがある
インスタグラムは画像や動画などのメディア中心のSNSです。
それゆえ、Instagramはインスタ映えする画像を投稿できる企業と相性が良いことは言うまでもありません。
例えば、カラフルな飾りつけであしらわれた料理を扱っている飲食店である場合やデザイン重視の服を取り扱ったアパレルなどはインスタグラムに向いていると言えます。
一方で、インスタ映えする画像を作り出すことができない企業はどうしてもインスタグラムでは苦戦せざるを得ません。
例えば、知識を売るタイプのセミナー系の企業などは代表例と言えるでしょう。
あるいは保険や金融商品などを取り扱っている企業も不向きな例と言えます。
もっとも、インスタ映えしないような企業も発想を転換すればバズれる可能性はあります。
例えば、知識を売るタイプの企業だったら「話の要旨を一枚のPDFにまとめた画像を投稿する」といった方法が有効的です。
もちろん、無理矢理バズらせるためにはある程度コストもかけなければいけません。
写真一枚撮るだけで簡単に投稿できるタイプの企業と比べれば、ハンデを負っていることは否めません。
「とりあえずインスタグラムを始めてみよう」と早合点するのではなく「本当に自分の企業がインスタグラムに向いているのだろうか」と熟慮することも大切になります。
企業がインスタグラムを使う際の戦略
インスタグラムのアカウントを開設すると決まったら、次は戦略を練りましょう。
何も対策することなく結果が残せるほどインスタグラムのアカウント運用は甘くありません。
ユーザーが少なかった頃なら、何気ない写真一枚でもバズることができていました。
しかしながら、現在のインスタグラムは国内で3,300万人以上のユーザーの投稿で溢れかえっています。
ユーザーはその中から取捨選択しながら少しの投稿しか見ていないのです。
それゆえ、インスタグラムを使う際にはあらかじめ戦略を立てることが欠かせません。
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インスタグラムの戦略その1:フォロワーの対象を絞る(ペルソナ)
インスタグラムはたくさんの人が見てくれるSNSです。
かといって、全てのユーザーに訴えかけることはあまり効果的ではありません。
例えば、今日は若者に対して訴えかける投稿をして、明日は中高年に訴えかける投稿をしよう、と計画したとします。
前者を中高年が見てしまったら、この企業は若者向けの会社なのだな、と間違われてしまいかねません。
当然、後者の方を若者が見てしまったら、同様の結果が待っています。
このように全年齢に向けて情報を発信しようとすると、時として狙いに反した効果を生みかねません。
それゆえ、フォロワーになって欲しい年齢層(ペルソナ)はあらかじめ絞っておくことが重要です。
今の会社は何もしなくても若者に支持してもらえている、だからインスタグラムを始めることで中高年にも支持してもらえるようになろう、といったターゲットを作ることが大切です。
また、中高年と一口に言っても様々です。
すでに家庭を持っていて主婦として日々家事に追われているのか、それとも会社で働き続けていているのか、といった違いでも訴えかけるべき内容は変わってくるでしょう。
そこで「この商品を欲しがっているのはきっとこういう人だ」といった対象を具体的にすべきです。
そして「その人物が仮にインスタグラムを始めたら」という前提に立ちましょう。
「この人だったらきっとこういう写真を撮るだろう」といった画像を投稿し続けることで、その人物像に近しい年齢層のフォロワーの目を惹きやすくなります。
インスタグラムの戦略その2:目標を定める(KPIの設定)
企業にとって具体的な数値目標(KPI・KGI)を定めることは欠かせません。
KPI・KGIの設定は、インスタグラムにとっても重要です。
ただ漠然と「フォロワーを増やす」だとか「企業の商品を売り込む」といった目標ではいけません。
もっと具体的に「1万人のフォロワーを半年で作る」だとか「SNSを始めることで、この商品の売り上げを5%伸ばす」といった目標を立てるようにすることで失敗する確率が下がります。
具体的な数値を含めた目標を立てることで、インスタグラムの精密な効果検証が行えます。
例えば、一万人のフォロワーを達成したとしましょう。
しかしながら、企業の売り上げには思うように結びつかなかったとします。
そうなればフォロワーの多寡はあまり関係ないとわかるようになります。
また、売り上げが伸びたとして、それがどういった要素と結びついているか分析することもできます。
先月と比べて「いいね」が増えているから、多くのユーザーの目に触れて売り上げが伸びたのだろうか、といった分析を忘れないようにしましょう。
インスタグラムの戦略その3:ブレないコンセプトを立てる
先ほども述べたように最近のインスタグラムのユーザーは見る投稿の数を絞り始めています。
自分の好みに合った投稿をしてくれるユーザーをフォローし、そうでないユーザーはフォローしない、といったことは珍しくありません。
そんな中でそれまでカラフルな料理をたくさん撮っていた企業が、突然シックな料理をたくさん撮るようになったとしたらどうなりますか?
「この企業の好みは変わった、私とは合わないな」と思いフォローを外すのが自然です。
投稿内容のコンセプトを変えることは、違ったユーザーに訴えかけるメリットもある一方で、既存のユーザーから見放されるデメリットもあります。
それゆえ、ひとまずインスタグラムを始める際はコンセプトを変えずに投稿を続けることが大事です。
例えば、カラフルな写真でなく、落ち着いた写真を撮り続けよう、と決めたらその方針を維持するべきなのです。
また、企業によってはインスタグラムの担当者を1人ではなく、複数に任せているかもしれません。
そんなときにコンセプトを決めていなかったら、投稿者によって写真のコンセプトが変わってしまい、フォロワーが困惑してしまうという事態が起きてしまいます。
そうなることを防ぐためにもコンセプトを固めることは大切なのです。
インスタグラムの戦略その4:投稿時間や頻度は厳密に決めよう
テレビに比べると、インターネットはいつでも見られるという利点があります。
とはいえ、最近では「この時間に投稿が行われるから待機して待っていよう」という動きも増えてきました。
あの人はこの時間帯にいつも投稿するから早めに「いいね」しよう、というのもインスタグラムの醍醐味の一つです。
そのため、インスタグラムを運用する際には投稿時間は厳密にしましょう。
そうすれば、アカウント運用を担当する社員も仕事がしやすくなります。
また投稿頻度も細かく決めておくべきです。
投稿頻度は少なすぎてもいけませんが、あまりに大量に投稿してもいけません。
一つのユーザーの投稿だけをずっと見ているというフォロワーは少ないです。
ほどほどの頻度に抑えつつ、どの時間帯に投稿したらアクセスが増えるか、といったことを分析するのも大切な戦略の一つです。
インスタグラムを始めた後の戦略
ある程度インスタグラムを運用すると、いろいろなことが見えてきます。
どんな年齢層に見てもらえているのか、どんな投稿がバズったのか、といったことはしっかりとメモしておくようにしましょう。
インスタグラムはあらかじめ自分の投稿がどんな人に見られたのかを分析してくれる機能を用意してくれています。
もし運用がうまくいっているのならば、その結果を分析しつつ今後もこの方針を続けるべきなのかを考えましょう。
また、仮に運用がうまくいっていなくても、分析次第で数字が伸びる要因を作ることは可能です。
ここからは戦略の練り直しについて見ていきます。
ハッシュタグの付け方や文章の単語を見直す
インスタグラムにはハッシュタグ(#)という機能があります。
特定のワードの先頭に「#」のマークを付けて投稿すれば、同じハッシュタグを投稿しているユーザーの検索に引っかかりやすくなります。
ハッシュタグを使うのと使わないのではPV数が格段に違ってきます。
とはいえ、やみくもにいろいろなハッシュタグを付ければいいというものではありません。
インスタグラムを始めたての頃はついついPV欲しさにハッシュタグを付けがちです。
しかしながらあまりにハッシュタグを付けすぎると何をアピールしているのかがわかりづらくなってしまいます。
ハッシュタグは1つの投稿に30個まで、ストーリーズに10個までにします。
その他、文章(ディスクリプション)についても一工夫必要になります。
検索に引っかかりやすいワードとして共起語というものがあります。
PV数がいまいち伸び悩んでいる場合は、共起語を使うと改善できる余地があるかもしれません。
写真の編集を見直してみる
インスタグラムに投稿されている画像を見ると、撮った写真をそのまま投稿しているとは限りません。
写真を加工・編集して見栄えを良くして、インスタ映えするように工夫しています。
加工を施すというとネガティブなイメージを持ってしまう方もいるかもしれません。
確かに商品の見た目まで丸ごと変えてしまうような詐欺加工はNGです。
しかしながら、「目立つように文字を入れたり」「彩度を調整して色鮮やかにする」といったような加工をする分には全く問題ありません。
また、商品は写真の撮り方によって180度印象が変わります。
「いまいち良い写真が撮れない」と悩んでいる方は、写真の撮り方を変えたら結果も変わってきます。
もっとも、あれこれいじりすぎた結果、原型がなくなるようではさすがにいけません。
また、先ほどコンセプトは一貫性のあるものにすべきだ、という話をしましたが、これは編集についても当てはまるものです。
色々な編集の仕方を試すのではなく、一貫性のある編集を目指すようにしましょう。
今では、画像の編集や加工はパソコンでなくても、スマホアプリで簡単に行えます。
結果が出なかった場合は思い切ってターゲットを変えてみる
インスタグラムは基本的に若者が使っているSNSです。
もちろん中高年のユーザーも少なくありませんが、少数派であることは否めません。
「自分たちの会社は中高年をメインに扱っているからインスタグラムでも中高年を顧客ターゲットにしよう」というコンセプトは悪くありません。
しかし、中高年ターゲットでは結果が出づらくなるのも事実です。
半年ほど粘っても結果が出ないようならば、思い切ってターゲットを変えてみるのも一つの手です。
「自分たちの商品は若者にはウケが悪いから」と諦めてはいけません。
インスタ映えする写真なら、バズる可能性が高いのがインスタグラムです。
中高年向けの商品であろうと、インスタ映えを意識する点には変わりありません。
「いきなりターゲットをガラッと変えるのは怖い」という場合は、少しずつターゲットを変更するのも一つの手です。
これまでは家庭にいる女性向けに広告を打っていたが、これからは仕事をしている女性向けに広告を打ってみよう、というマイナーアレンジを行ってみましょう。
キャンペーンの成果は慎重に取り扱おう
インスタグラムでは様々な企業がキャンペーンを行っています。
商品のサンプルを提供したり、商品券をプレゼントしたりといったキャンペーン施策は確かにPV数やフォロワーを増やすのには効果的です。
しかしながら、キャンペーン企画(プレゼント企画)が必ずしも企業の利益に繋がるわけではありません。
そもそもキャンペーンに参加する人は特典目当ての人が多く、企業の商品にはあまり興味がないという人も混じっています。
なので「フォロワーが増えたからキャンペーンは大成功だ」と早合点してはいけません。
もっと具体的に、キャンペーンを行った後確かにフォロワーは増えた、ではどれくらい営業利益に直結したのだろうか、という結果を分析するようにしましょう。
また、キャンペーンのアイディアも通り一遍ではいけません。
単に物品をプレゼントするだけでなく、ユニークなキャンペーンを打ち出せるようになれば企業イメージは良くなりやすいです。