目次
ファンマーケティングとは？
ファンマーケティングとは、製品やサービスに対して熱狂的なファンを増やしていく手法です。
ファンマーケティングは、中長期的にファンを拡大させていきます。
今までのマーケティング手法では、TVやマスメディアなどを中心としたアプローチ型のマーケティングが主流でした。
しかし、スマートフォンが普及したことで、SNSが大きく発展しました。
SNSは、強い拡散力が特徴的です。
熱狂的なファンが自社商材についてSNSで拡散することで、新たに顧客を獲得することに繋がります。
獲得した顧客をファンにすることで、さらに新たに顧客を獲得することが出来ます。
中長期的にはなりますが、どんどんファンの数を増やしていくことが出来ます。
分かりやすい例だと、Appleが良いファンマーケティングの例となります。
Appleは、非常に多くの熱狂的ファンを抱えています。
「アップル信者」と呼ばれているくらい熱狂的です。
新しいiPhoneの発売日には、非常に多くの方が店頭に行列を作っていることは、ニュースにも取り上げられるほどです。
他社競合に比べて、iPhoneが特別安い訳ではありません。
しかし、熱狂的なファンが多いことで、他の商品へ目移りすることはありません。
そして、新たなファンをどんどん獲得しています。
ファンマーケティングの4つのメリット
ファンマーケティングのメリットについて紹介します。
ファンマーケティングの主なメリットは、以下の通りです。
- 売上が安定する
- SNSの拡散や口コミによる新規顧客の獲得
- 良質なフィードバックが得られる
- 広告費を削減できる
上記のメリットについて、それぞれ詳しく解説していきます。
売上が安定する
成熟市場では、企業が技術競争を繰り返します。
そのため、品質や機能での差別化が激しくなります。
消費者は、どれを選べばいいか分からなくなり、最終的には商品やサービスの価格で購入を判断します。
したがって、成熟市場では、提供者同士の価格競争になりやすいです。
そして、商品の価格が低下することで、利益が縮小するといったデメリットがあります。
しかし、自社に対して熱狂的なファンを抱えることで、高価格であっても商品が購入されます。
よって、ファンの数が多いことで、高い利益率を維持することが出来ます。
ファンマーケティングによって、熱狂的なファンを増やし、安定した売上基盤を作ることが出来ます。
SNSの拡散や口コミによる新規顧客の獲得
熱狂的なファンは、SNSや口コミによって商品やサービスの魅力を自ら発信します。
また、スマートフォンの普及によって、商品を購入する前から、事前に商品に関する品質などの情報を確認することが出来ます。
熱狂的なファンがSNSや口コミによって情報を発信することで、新たな顧客獲得へと繋がります。
したがって、新規顧客を獲得できるファンマーケティングは、費用対効果の観点から注目を集めています。
良質なフィードバックが得られる
熱狂的なファンは、自社の商品やサービスを頻繁に利用しています。
その結果、企業側が気付いていない改善点に気付いている場合があります。
したがって、ファンの意見を取り入れることで、より良い商品開発をすることに繋がります。
また、ファンとしては、自分の意見を取り入れてもらえることで、今まで以上に熱心なファン活動を行ってくれます。
そして、熱心なファン活動によって新規顧客を獲得することが出来ます。
コストがかからずに良質なフィードバックをしてもらえることは、大きなメリットです。
広告費を削減できる
ファンマーケティングを活用することで、広告費の削減に繋がります。
企業にとっては、広告費を削減できることは、非常に大きなメリットです。
熱狂的なファンは、自分がハマっていることに対して、自発的にSNSなどで宣伝を行います。
SNSには、高い拡散力があるため、広告を打ち出すよりも効果的である場合があります。
したがって、ファンが宣伝したくなるような商品と空間を作ることで、自発的にファンがSNSに投稿してくれるようになります。
その結果、TVや雑誌などで宣伝する広告費をかけずに、大きな企業へと成長することが出来ます。
ファンマーケティングを成功させる3つのポイント
ファンマーケティングを成功させる3つのポイントについて解説します。
成功させる主なポイントは、以下の通りです。
- 共感
- 愛着
- 信頼
上記の3つのポイントについて、それぞれ詳しく解説していきます。
共感
顧客に共感を持ってもらうためには、自社商材の独自価値を明確化させることが大切です。
熱狂的なファンは、独自価値に気付き、商品の勝ちを向上させてくれます。
また、SNSなどでファンが実際に使用した口コミを発信することで、自社商材への不安を払拭することが出来ます。
口コミは、企業が発した情報よりも信頼性が高い特徴があります。
したがって、ファンの口コミを多くの方に伝えることが大切です。
そして、共感を得ることで、新規顧客の獲得に繋がります。
愛着
自社商材に対して愛着を持ってもらうためには、販売されるまでのストーリーを伝えることが大切です。
どれほどの努力があって商品販売にまで至ったのか説明すると、ファンから愛着を持ってもらいやすくなります。
また、商品やサービスを体験する機会を提供することも大切です。
実際に触れてみることで、愛着を持ってもらうことが出来ます。
信頼
信頼を持ってもらうためには、製造工程などを詳細に情報を開示することが大切です。
どのようにして作られたのかを見てもらうことで、ユーザーは安心して購入しやすくなります。
また、開発者や開発現場などの情報を公開しても、信頼に繋がります。
逆に、不確かな情報を開示することで、ファンからの信頼を失う場合があります。
特に、トラブルなどが発生した場合は、誠実な対応を徹底することが重要です。
少しでも信頼を回復させることが出来ます。
ファンマーケティングに効果的な4つの施策
ファンマーケティングに効果的な4つの効果的な施策について紹介します。
主な効果的な施策は、以下の通りです。
- ファンが集まるコミュニティの構築
- SNSの活用
- ライブ配信の活用
- クラウドファンディングの活用
上記の4つの施策について、それぞれ詳しく解説していきます。
ファンが集まるコミュニティの構築
ファンが集まるコミュニティを構築することは大切です。
コミュニティを構築するメリットは、
- 販売機会の拡大
- LTV（顧客生涯価値）の最大化
- 良質なフィードバック
などがあります。
それぞれについて詳しく説明します。
販売機会の拡大
現在、企業が発信する情報よりも、実際に利用した方の口コミなどの方が高い評価を受けています。
また、企業が発信する広告よりも、口コミや体験談を見て購入を決断するケースが増えています。
コミュニティを構築することで、ファン同士の交流を促すことが出来ます。
交流が増えることで、販売機会を広げることが出来ます。
LTV（顧客生涯価値）の最大化
コミュニティは、商品やサービスを肯定的に考えている顧客が属しています。
しかし、商品やサービスに対する理解度は、ユーザーによって異なります。
コミュニティを構築することによって、ファン同士が情報交換を行います。
そのため、商品やサービスに対しての理解度を深めることが出来ます。
よって、より活発な活動を行う機会を増やすことに繋がります。
そして、商品に対する愛着を強め、LTV（顧客生涯価値）を最大化させることが出来ます。
良質なフィードバック
コミュニティを構築することで、ファンとの距離感をさらに近くすることが出来ます。
ファンとの距離感が近いことで、簡単にユーザーの生の声を収集することが出来ます。
したがって、商品やサービスにユーザーの意見を反映しやすくなります。
そして、ユーザーのロイヤリティを高めることにも繋がります。
ユーザーは、企業のファンであるため、距離感が近くなることで活発に活動しやすくなります。
その結果、より良質なフィードバックを発信してくれるようになります。
また、一部のファンのみが参加できる運営者とのファンミーティングを開催することがおすすめです。
熱狂的なファンのエンゲージメントを高め、効率的に良質なフィードバックを収集することが出来ます。
SNSの活用
SNSを活用することは大切です。
ファンマーケティングにおいて、SNS配信を行うメリットは、
- 顧客との接点を増やす
- 商品コンセプトや特徴を伝える
などがあります。
上記のメリットについて、詳しく紹介していきます。
顧客との接点を増やす
現代では、人それぞれ価値観が多様化しています。
そのため、特定のチャネルに顧客が集まっていません。
したがって、複数のタッチポイントを設ける必要があります。
など、様々なSNSでアカウントを開設し、顧客との接点を増やしましょう。
商品コンセプトや特徴を伝える
商品やサービスのコンセプトや特徴を顧客に伝えることは重要です。
コンセプトや特徴を伝えることで、顧客のエンゲージメントを高めることに繋がります。
また、ブランドの歴史や独自の価値を頻繁に発信することも大切です。
ファンに共感や愛着を持ってもらうことが出来ます。
ライブ配信の活用
ライブ配信を活用することは大切です。
ファンマーケティングににおいて、ライブ配信をするメリットは、
- 顧客からの疑問を解消しやすい
- 顧客との信頼関係の醸成に繋がる
などがあります。
上記のメリットについて、それぞれ詳しく紹介します。
顧客からの疑問を解消しやすい
ライブ配信を行うことで、ファンと密なコミュニケーションを取ることが出来ます。
したがって、より商品やサービスに対して愛着を持ってもらうことが出来ます。
また、リアルタイムで商品紹介することが出来るので、消費者を納得させやすいです。
疑問が生じた場合でも、直接質問することが出来ます。
よって、商品やサービスに対しての理解度を高め、共感を持ってもらうことが出来ます。
そして、新たにファンの獲得にも繋がります。
顧客との信頼関係の醸成に繋がる
ライブ配信では、顧客の反応に合わせて商品の紹介をすることが出来ます。
したがって、顧客との信頼関係を構築しやすいです。
また、密なコミュニケーションを取ることで、信頼関係が出来る場合もあります。
その結果、顧客をファンへ導くことに役立ちます。
クラウドファンディングの活用
クラウドファンディングの活用は大切です。
ファンマーケティングにおいて、クラウドファンディングを活用するメリットは、
- リスクを抑えて質の高いフィードバックを得られる
- 将来的に熱狂的なファンになるユーザー情報の収集
- 商品やサービスのブランディング
などがあります。
上記のメリットについて、それぞれ詳しく紹介します。
リスクを抑えて質の高いフィードバックを得られる
クラウドファンディングでは、発売前の新商品や新サービスを販売することが出来ます。
したがって、発売前にユーザーの意見を集めることが出来ます。
また、実際に発売した時の反応も確認することが出来ます。
クラウドファンディングには、目標金額が設定可能です。
目標金額に到達することで、プロジェクトを進めることが出来る販売方式を採用しています。
したがって、企画段階のイベントや商品を、プロジェクトとして掲載することが出来ます。
人気が高く目標金額まで集客することが出来れば、商品化することが出来ます。
万が一目標金額を達成できない場合は、プロジェクトは中止となります。
したがって、低リスクでプロジェクトへの反応を確認することが出来ます。
また、同時に資金調達も出来ます。
将来的に熱狂的なファンになるユーザー情報の収集
クラウドファンディングでは、商品やサービスの価値だけでは評価されません。
プロジェクトのストーリーや背景も考慮し、購入を決断する方がほとんどです。
また、プロジェクトに共感したユーザーや既存の熱狂的ファンは、SNSでプロジェクトについて発信します。
したがって、多くの方にプロジェクトについて共感を促してもらえる場合があります。
クラウドファンディングサイトでプロジェクトを立ち上げることで、プロジェクトに共感したユーザーの情報を獲得することが出来ます。
そして、獲得した情報をもとに、プロジェクト終了後にも手厚いサポートや情報発信をすることが出来ます。
プロジェクトに支援してもらった分、プロジェクト終了後のサポートをすることで、自社商品に対して愛着を持ってもらいやすいです。
したがって、積極的にプロジェクトを支援してくれるユーザーに対してサポートしましょう。
商品やサービスのブランディング
商品やサービスを購入する前に、詳細情報を確認するユーザーは年々増加しています。
クラウドファンディングでは、プロジェクト終了後もプロジェクトに関する情報は掲載され続けます。
例えば、
- 支援してもらえた合計金額
- 支援者数
- プロジェクトの詳細
など、全て後からでも確認することが出来ます。
したがって、自社メディアにプロジェクト実績を掲載することが出来ます。
そして、実績を掲載することで、顧客に対する販売促進に繋がります。
ファンマーケティングの成功事例3選
ファンマーケティングの成功事例を3選紹介します。
実際に行われた成功事例を確認し、参考にしてみて下さい。
株式会社MAPPA
株式会社MAPPAが行ったファンマーケティングは、片渕須直（かたぶちすなお）監督による「この世界の片隅に」（原作：こうの史代）のアニメ映画化を応援です。
株式会社MAPPAは、映画監督である片渕須直さんと、プロデュース会社の株式会社ジェンコと共に、「この世界の片隅に」の劇場版アニメ化を目的としたプロジェクトを立ち上げました。
プロジェクトページには、絵コンテやストーリーを掲載するなど、ユーザーの共感を得るための工夫がされています。
また、プロジェクト終了後は、支援してもらったユーザーに対しての感謝のメッセージを追記しています。
顧客からファンになってもらえるように、感謝の気持ちを忘れないようにしています。
資金提供されたユーザーは、「制作支援メンバーミーティングの参加権利」などのリターンが用意されています。
ミーティングに参加することで、いち早く進捗状況などを知ることが出来ます。
ファンにとっては非常に嬉しいリターンとなっています。
また、作品に対する愛着を持ってもらることにも繋がります。
そして、ミーティングに参加して知った情報は、SNSやブログなどで発信することが出来ました。
したがって、熱狂的なファンのSNSでの情報発信によって、新たな顧客の獲得に繋がりました。
最終的には、クラウドファンディングで調達した資金は、3,900万円ほどです。
目標金額が2,160万円であったことに対して、1.5倍以上の資金調達をすることを達成しました。
また、支援者の数は3,374人と、非常に多くの方から支援されたことが分かります。
株式会社アニメイト
株式会社アニメイトは、自社で「ソレオス」というクラウドファンディングサイトを運営しています。
ソレオスでは、クラウドファンディングを通して、今までできなかったサービスの開発やイベントを開催することが出来ます。
例えば、「I★CHU PROJECT」では、未完のままになっているゲームアプリのストーリーを新しく小説として完結させるプロジェクトを立ち上げました。
そして、資金が増える毎に、新規のリターンを増やすなど、運営者とユーザーが一緒に盛り上がる仕組みとなっていました。
その結果、サービスに対して愛着を持たせることに成功しています。
そして、株式会社アニメイトとしても、自社のサービスと連携することで、包括的に既存顧客のニーズに対応し、既存顧客をファンに促すように取り組みを行っています。
Sonic Soak
Sonic Soakは、アメリカ発の次世代超音波洗浄テクノロジーです。
超音波が水の中で作り出す超微細な泡がはじけるパワーを使用して、目に見えないレベルから、しっかりと気になる汚れをはじき落とします。
Sonic Soakは、商品理解度を高めるために機能紹介や製造過程を詳しく掲載しています。
実演動画を掲載することで、実際にどれほどの効果があるのかを説明しています。
また、どのような使い方ができるのかを詳細に使い方から説明することで、誰でも簡単に使用できるように工夫しています。
そして、汚れを落とす仕組みについても、具体的なメカニズムを説明することで、より商品理解度を高めるようにしています。
そして、海外で事前に行ったクラウドファンディングの成功例を掲載しています。
実績を掲載することで、ユーザーの信頼を獲得しています。
クラウドファンディングで調達した資金は、1億1,770万円となります。
プロジェクト立ち上げ当初の目標金額が100万円に対して、100倍以上の資金調達に成功しています。
支援者は、6,500人以上となり、非常に多くの顧客の獲得に成功したことが分かります。
まとめ
ファンマーケティングは、既存顧客をファン化させることで、中長期的に安定した売上基盤を構築する手法です。
商品やサービスに愛着を持つファンを増やすためには、
- ファンが集まるコミュニティの構築
- SNSの活用
- ライブ配信の活用
- クラウドファンディングの活用
などが効果的です。
紹介した内容を参考に、ぜひビジネスに活用してみて下さい。
