企業広報としてSNSを活用する企業が増えている
Instagram(インスタグラム)に限られたことではありませんが、企業広報としてSNSを利用する企業が増えています。
それぞれの企業に合致するSNSをチョイスして、広報として利用します。
ひとつのSNSだけではなく、複数のサービスを利用して、相乗効果を狙う企業も多くなっています。
広報やPRというのは、企業にとってなくてはならない存在で、企業で発売する新商品やサービスなどについても、広報が多くの人に伝えることになっています。
どんなに良い商品であっても、人に知られていなければ、売れるはずもないので、今の時代は広報の存在はより重要になってきます。
広報といっても、
- 消費者向け
- 投資家向け
- 社内向け
など伝える相手の種類がいくつかあります。
具体的に、企業が実施してきた広報の内容を確認してみると、まず挙げられるのがプレスリリースとなっています。
プレスリリースというのは、報道向けの情報発信になっていて、情報を拡散する能力の高いメディアに対して、広報することによって、よりその情報を多くの人たちに行き届かせようというものになっています。
情報を発信する場所はいろいろな場所があって、ファックスや郵送が使われる従来のやり方もあれば、ウェブサイトを通じて、リリースすることもあります。
また、イベントを開催したり、記者会見を開催したりする方法もあります。
記者会見を開いたり、イベントをしたりすることによって、即座に相手とコミュニケーションをとれます。
企業が広報をする上で、メディアと関係を持つことは珍しくはありません。
企業にとっては、メディアとの関係は良好に保ちたいと考えるのは当然です。
パブリックリレーションズ(PR)
メディアリレーションズ(MR)は、メディアと企業の間で良好な関係を構築するものになっていて、上で紹介したプレスリリースもメディアリレーションズの一環です。
また、メディアリレーションの対局にあるようなものに、パブリックリレーションズがあります。
パブリックリレーションズ(PR)とは、一般大衆をターゲットにした方法で、一般大衆に向けて情報を発信することです。
企業と大衆の間にメディアを挟まない方が良い場合もないわけではないので、パブリックリレーションの方が効果が高い場合もあります。
近年は当たり前になってきていますが、ホームページやオウンドメディアを利用した広報活動もあります。
ホームページやオウンドメディアに顧客を呼び込めれば、少ない費用で、大勢の目に触れることになるので、高い効果を得られます。
また、ホームページやオウンドメディアさえ持っていれば、自社で自由自在に情報発信ができるのでおすすめです。
広報、PRのもうひとつの仕事として、採用活動があります。
企業のホームページを確認してみると、必ずといっていいほど採用情報が設置されています。
他にも社内広報という仕事も含まれていて、広報の情報発信によって、社員への企業理念の浸透に使われたりすることもあります。
SNSと広報
最近では、SNSと広報が切り離せない存在になってきています。
事実、インスタなどで企業の広報をしている会社が非常に増えており「ホームページよりも、SNSで情報を仕入れる方が早い」という人もいます。
また、企業にとって重要な存在であるステークホルダーのSNS利用率が年々、高まっています。
基本的に、今後企業に大きな影響を与える層は、ミレニアル世代のデジタルネイティブの人たちになっていくので、今後はより一層SNSが重要になってきます。
SNSの利用目的は「趣味」から「情報収集」へと変化している
SNSを利用する人の割合は、国民の7割に達するというデータもあります。
さらに、SNSを利用する人たちの目的にも注目しなければなりません。
少し前までのSNSは、どちらかといえば趣味で利用する人たちも多かったです。
しかし、最近は、SNSの利用目的が情報収集になっている人たちが増えていまです。
場合によっては、検索エンジンを使用せずに、SNSの検索窓から情報を検索する人たちもいます。
SNSで情報収集する人たちが増えている経緯には、様々な理由があります。
理由のひとつとして、企業がSNSを利用して、会社案内や人材募集などをするケースが増えているということです。
就活生にとってみれば、SNSはもはや就活のための必須ツールと化しています。
また、企業がどういった目的でSNSを利用しているのかを確認してみると、新しい商品やイベントの紹介がかなり増えています。
インスタなどは定期的な情報の発信が重要になってきますので、単純に定期的に情報を発信しているという企業も多いです。
SNSを広報に利用するメリット
SNSを広報に組み込もうと思っているのならば、組み込むことによるメリットについて把握しておくべきです。
無料で利用できる
ほとんどのSNSは、無料で利用できるというメリットがあります。
SNSは無料で利用ができるので、人件費は別として、コストパフォーマンスに優れています。
自由に発信できる
ある程度の規約はあるものの、基本的には自由に発信できます。
いちいち外部のメディアなどにお願いして、情報を掲載する必要がなくなります。
自社のSNSアカウントで新情報や自社商品の魅力など自由に情報発信することが出来ます。
ユーザーと直接コミュニケーションが取れる
SNSの良いところは、サービスを通じて、ユーザーと双方向でコミュニケーションができるという点です。
フォロワーからきたコメントに返信することもできますし、ダイレクトメッセージ機能(DM)も備わっているのです。
企業が積極的にSNSを利用して発信することによって、消費者が自社ブランドを理解してくれる可能性があるので、良さをしっかりとアピールできれば、購買につながる可能性があります。
昨今のビジネスにおいては、消費者との信頼関係は非常に重要です。
ちょっとしたことで炎上してしまう状況になってしまうので、事前に信頼関係を築くことで、炎上対策をすることもできます。
メディアもネタをSNSで情報収集してる
さらに、忘れてはならないのが、今の時代はメディアもSNSからの情報を収集しているという点です。
よくニュースなどでSNSが取り上げられることがあります。
特に、SNSで話題になった情報はメディアも積極的に取り上げてくれるので、SNSを中心に活動することによって、メディアに波及することもあります。
インフルエンサーが取り上げてくれる可能性がある
SNSを利用しているとインフルエンサーが情報を発信してくれる可能性があります。
SNSは拡散性に富んでいるので、とりあえずアカウントを作成しておくだけでも、何かがきっかけとなって拡散される可能性があります。
今となってはインフルエンサーは、メディアのような存在になります。
新聞やテレビと同様に、日夜面白い情報がないかを探しています。
そして、インスタのインフルエンサーは、インスタで面白い情報を探すことも多いので、面白い情報を定期的に発信していれば、いずれこれらに取り上げられる可能性は高いです。
インフルエンサーマーケティングについて
今となっては企業が実施するデジタル関連業務の中で、欠かせないものになってきているのが、インフルエンサーマーケティングと呼ばれるものです。
インフルエンサーマーケティングは、インフルエンサーを起用して、商品やサービスの購入を促す新しいマーケティング方法です。
ソーシャルリスニングについて
SNSのメリットの中には、ソーシャルリスニングといったものがあります。
ソーシャルリスニングというのは、SNSを利用したマーケティングリサーチのことです。
マーケティングリサーチに比べて、ずっと身近でユーザーの声を聴けるので、事業に反映させやすいというメリットがあります。
具体的には、SNSでユーザーの声を収集したり、分析したりします。
分析したデータを利用できれば、企業のリスクマネジメントにも役立てます。
また、SNSを利用しているユーザーは、アンケートなどに比べると、かなり本音で語ってくれる人が多いです。
ソーシャルリスニングは、主に会社の外を意識して実施するものです。
しかし、SNSの持っているメリットには会社の中に影響を及ぼすものもあります。
インターナルコミュニケーションと呼ばれており、インターナルコミュニケーションは、社員に対して発信する広報です。
大企業ともなると、上層部の移行がうまく下にまで浸透しないことがよくあります。
しかし、社員が定期的に確認するSNSのアカウントがあれば、上層部の意思を速やかに、社員たち全員に伝えられます。
つまり、連絡板のような存在になってくれ、うまく活用できれば、業務の円滑化をはかれます。
ソーシャルリクルーティング
ソーシャルリクルーティングは、企業にとってSNSを利用する大きなメリットです。
ソーシャルリクルーティングとは、SNSを利用して、採用活動を実施することです。
就活生は、企業のSNSアカウントを見て、どんな情報を発信しているか確認します。
仮にSNSアカウントを持っていない企業があった場合は、就活生の目にも入らない可能性があります。
SNSが便利になればなるほど、企業のホームページは見られない可能性が出てきます。
最近では、就活に利用する情報源はSNSのみという若者も出てきています。
ソーシャルリクルーティングの醍醐味は、企業の方からSNSを通じて、応募者側(就活側)にアプローチできるというものです。
また、自社のSNSアカウントで人材募集することで、求人サイトへの出費を抑え、コストカット出来ます。
求人募集は、今までお金のかかるものでしが、SNSを利用することによって、費用を大幅に削減できます。
かといって、閲覧されないというわけでもないので、いろいろな意味で企業にとってはメリットが大きくなります。
企業のSNS広報活用の成功事例まとめ
具体的に企業がどのようにSNSを広報として活用しているのかを確認することで、より理解できます。
企業のSNS広報活用の成功事例をまとめましたので紹介します。
日本航空(JAL)
日本航空はFacebookを利用して、広報を続けています。
日本航空がSNSを利用した大きな理由は経営破綻からの復帰です。
経営破綻によって、ユーザーの信用はかなり失ってしまいました。
だからこそ、よりユーザーと身近な部分で接することができるSNSを活用することにより、信頼回復のための行動に出ました。
2020年の段階では200万フォロワーを超えていることで、日本航空の信頼回復のために、Facebookが役立ったのは間違いないといえます。
また、日本航空がうまいのは、航空会社という属性を活かして、海外に向けた発信も続けているというものです。
日本航空のSNS運用方針は非常に参考になります。
コメントへの対応や、想定問題を作成することによって、マニュアルを徹底しています。
さらに、社内と社外のQ&Aを両方作成するという徹底ぶりで、安定した品質でユーザーにサービスを提供できるようにしています。
さらに、ソーシャルメディアポリシーをしっかりと明文化することによって、信頼性回復につなげています。
日本航空の成功の秘訣をいえば、日本航空企業はあまり企業の顔が想像できないという批評がありました。
だからこそ、SNSのアカウントを開設して、よりユーザーに顔の想像してもらいやすい企業づくりを目指しました。
また、コメントの返信も航空機内でのサービスのように非常に丁寧で、サービスの質の高さを連想させてくれます。
シャープ
SHARP シャープ株式会社
他には、シャープもTwitterを活用して成功をおさめている企業です。
シャープのTwitterアカウントは、企業アカウントの中でも有数の存在として知られています。
まさにトップクラスといっても過言ではなく、アカウントはかなりユニーク系の投稿を続けています。
シャープといえば、だれもが知っている大企業になるので、格式のようなものを感じる投稿が多いかと思いきや、良い意味でのサプライズがあります。
奇抜というよりかは、フリーダムなアカウントになっていて、より多くの人から親近感を得ることに成功しています。
アカウントを見る前と見た後では、シャープに抱く親近感はまったく違うものになっているはずです。
フリーダムさの一例をあげてみると、Twitterのフォロワーから質問されて、取り扱っていないジャンルの商品について聞かれました。
すると、自社では取り扱っていないので、ライバルメーカーの名前を挙げて、おすすめしているのです。
自由な投稿が話題を呼んで、ネットで取り上げられることも多くなっています。
シャープのTwitterアカウントは、もはや大企業ではなく、近所の行きつけのお店といったイメージになっています。
企業イメージを良い意味で崩壊させることに成功したからこそ、多数の支持者がいるともいえます。
ディズニーリゾート
Instagramを使って成功した企業といえば、ディズニーリゾートがあります。
Instagramは、ディズニーリゾートの楽しい動画や写真を掲載するのにはぴったりの場所です。
なんとフォロワー数は250万フォロワーを超えていて、巨大なアカウントになっています。
ディズニーリゾートのインスタは、ディズニーらしく自慢のキャラクター力を活かしたものになっています。
特に意識しているのが、自社の施設のイメージ向上ができるようなフォトジェニックな写真になります。
ディズニーリゾートのフォトジェニックな写真は、今後インスタを活用する企業にとっては、かなり参考になる部分が多いので、積極的に吸収するようにします。
具体的には、パーク内の様子を撮影したり、キャラクターたちと日常風景を撮影したりと、ディズニー好きにはたまらない内容となっています。
アカウントを日々確認することによって、新たな楽しみ方ができるのも魅力的なポイントです。
インスタ内に施設内の写真が増えれば、相乗効果を期待できて、場所が気になり、ディズニーファンならば、再び施設を利用したくなります。
SNS内での投稿を促すことによって、ユーザーがユーザーを呼ぶという集客効果を期待できます。
地にまで落ちてしまった企業の信用を再び回復したケースもありますし、ユニークな投稿によってフォロワーに友達だと錯覚させてしまうケースもあります。
ほかにも、自社の魅力を写真や動画でアピールすることによって、ユーザーの購買欲を高めるような方法もあります。
自社の商品が魅力であればあるほど、SNSでアピールすることにより、売り上げにつながる可能性があります。
それぞれの企業に合致した使い方をすることで、高い効果を発揮してくれるのがSNSだといえます。