不正アクセスがあって、アカウントが乗っ取られてからでは手遅れです。
企業やインフルエンサーにとって大きな損害を招いてしまいます。
今回は「アカウントが乗っ取られた時の対処法」や「Instagramのセキュリティ対策」について詳しく解説します。
目次
インスタグラムのセキュリティ対策は重要
インスタグラムは、スマートフォンで誰もが簡単にどこからでも操作できるのが魅力のSNSです。
ただその手軽さは、逆の見方をすればセキュリティに関してリスクになる側面もあります。
当然、インスタグラムに限ったことではありません。
SNSを企業マーケティングに活用している場合、このリスクをきちんと理解しセキュリティ対策しなければ片手落ちです。
「乗っ取り」によってブランドに傷がつけられたり、個人情報の流出に繋がる事態になり社会的信用を失う可能性があります。
企業アカウント運営者ならこうした重大なトラブルを回避するため、インスタグラムのセキュリティ対策や万が一のときの適切な対処についてしっかり理解しておきましょう。
SNSアカウントの「乗っ取り」とは?
人気のSNSプラットフォームにはInstagram以外にもFacebookやTwitterなどもありますが、こうしたアカウントに不正ログインし、乗っ取ることで社会的被害を出す事例は少なくありません。
近年ニュースになったLINEアカウントの乗っ取りでは、友だちにプリペイドカードを購入させたり送金させたりする詐欺被害がありました。
画像をメインとするインスタグラムでもこうした乗っ取りによる被害報告は多く、人気プラットフォームだけに世界的に狙われやすい環境にあることは否めません。
インスタグラムのアカウントが乗っ取られると、
- 勝手に投稿される
- 勝手にDMを送られる
などの迷惑行為が行われます。
友達の投稿だからと信じて詐欺にあってしまうこともあります。
企業アカウント運営者にとって、自社の名前を語りビジネスやブランディングに大きな損害をもたらすこうしたトラブルは、確実に避けなければならない事態です。
インスタグラムの不正アクセスによる悪影響
万が一、インスタグラムの企業アカウントが不正アクセスされた場合、どのようなリスクが考えられるでしょうか。
詳細な被害は企業によっても商材によっても変わりますが、まずは大きなくくりでまとめてみましょう。
個人情報流出
DMに含まれる個人情報の流出が最大のリスクです。
企業アカウントは顧客の個人情報保護が重大な責任として求められますが、不正アクセスでこうした個人情報が流出すると社会的信用をすべて失うことになります。
具体的にはフォロワーの氏名やメールアドレス、電話番号などが該当し、過去に日本でも3,000万件を超える顧客データの流出事件が大きく報道されました。
こうした事態は企業の情報管理体制を問われることとなり、社会から厳しく批判を受けることになります。
被害に遭ったのは自身でも、そこから発生する顧客の被害につながってしまう以上、責任は免れません。
犯罪への加担
不正アクセスの目的はほとんどが犯罪利用です。
まったく意図しない犯罪行為へ知らない間に加担してしまうことになるため、非常に大きな損失を被ることになります。
例えば、企業アカウントからのDMで安心させ、膨大な数のフォロワーに対し不正な外部サイトへ誘導する宣伝行為などがあります。
アクセスすると架空請求などの詐欺に遭うため、フォロワーに多大な被害を与えてしまう大きなリスクです。
また、企業名を語ってダイレクトに誘導するだけでなく、いつの間にかビジネスプロフィールのURLリンクが変更されているという事例も過去にありました。
こうしたURLの多くはフィッシングサイトとなっており、アクセスするとその人の個人情報やカード情報が奪われる二次被害に繋がります。
アカウント凍結
「スパム投稿」「DMでの詐欺行為」「違法サイトへの誘導」はインスタグラムによるアカウント凍結措置の対象となります。
インスタグラムでアカウント凍結される理由は以下の通りです。
- 規約違反
- 違反報告が多い
- 商標の無断使用
このほか長期間使用されていないなどもありますが、不正アクセスによりアカウントが凍結されると復旧できなくなります。
それまでに築き上げたアカウントの地位やフォロワー、数々の投稿すべて失い、大きな資産を失くすことになるでしょう。
インスタグラムアカウントが不正アクセスされた時の対処方法
上記のようなトラブルはあってはならないことですが、リスクには常に備えなければなりません。
万が一乗っ取りなどの不正アクセスに遭った場合のため、インスタグラムのヘルプセンターに掲載されている対処法をもとに初動を押さえておきましょう。
ログインできる場合
乗っ取りされても、当該のインスタグラムアカウントにログインできる場合があります。
その際は、まずすべきことがいくつかあります。
パスワード変更
パスワードの再設定メールを自分のメールアドレスへ送信し、再設定します。
サードパーティーアプリを無効
ダウンロードしたサードパーティーアプリの中に、不正アクセスを可能にするシステムが組み込まれている可能性があります。
不審なものは無効にし、アプリからアクセスできないようにしてください。
二段階認証を有効化
セキュリティを強化します。
ログインできない場合
乗っ取りによってパスワードが変更され、当該アカウントにログインできなくなってしまったら、以下の流れで対応します。
1インスタグラムからメール着信がないか確認
メールアドレスを変更すると、インスタグラムから登録している自分のメールアドレスに情報変更を知らせるメールが届きます。
そのメールに記載されている「この変更を取り消す」という仕組みを使うことで、元の状態に戻せます。
ただしパスワードなども変更されていて元に戻せない場合もあります。
2不正アクセスされたアカウントを報告
ステップ1でアカウントを戻せなかったら、インスタグラムに報告します。
OSごとに方法が異なりますので以下にまとめておきましょう。
iOS
- ログイン画面で「パスワードを忘れた場合」をタップ
- 「ログインリンクを送信」の下の「ヘルプが必要な場合」をタップ
- 安全なメールアドレスを入力しリクエスト送信
- InstagramのセキュリティチームからID認証の自動返信が届くので認証する
基本的にはID認証をクリアすることでアカウントを戻す方法がInstagramから送信され、その内容に従うことでアカウントは元の状態に戻せます。
肝となるのはID認証ですが、①Instagramから送られてきたコードを手書きした紙を持っている自分の写真、②登録に使用したメールアドレスや電話番号、登録時に使用したデバイス(iPhone、Android、iPadなど)の情報これらを送信することで認められます。
Android
- ログイン画面で「ログインのヘルプ」をタップ
- ユーザーネーム、メールアドレス、電話番号を入力
- 「ヘルプが必要な場合」をタップ
- 画面の指示に従い安全なメールアドレスを入力しリクエスト送信
- Instagramから次の手順がメールで届くので指示に従う
以上です。
詳細はInstagramヘルプセンターに従ってください。
その他アカウントが不正アクセスされたときの対処法が掲載されていますので、まずは冷静に、落ち着いてすべての内容に目を通すようにしましょう。
インスタグラムのセキュリティを高める方法
SNSに限らず、現在IT関連でログイン時に理想的とされるセキュリティが二段階認証です。
インスタグラムも企業アカウントとして運用するなら、ログイン時にできる限り高いセキュリティを敷いておくことがとても重要です。
二段階認証が面倒臭いからと言って、設定していないと不正アクセスされてしまい、被害が大きくなります。
基本としてパスワードを難しいものに設定し、認証には二段階認証を使用するなどセキュリティの基本姿勢をあらためて見直しましょう。
パスワードを複雑にする
https://www.luft.co.jp/cgi/randam.php
まずパスワードの設定ですが、誰もがイメージしやすいパスワードは避けるべきです。
名前や生年月日など、自分にとって覚えやすいものは、同時に他者からも分かりやすいものですので使うべきではありません。
また、数字だけやアルファベットなどシンプルなパスワードも避けるべきです。
いくつか条件がありますが、
- アルファベットの大文字
- アルファベットの小文字
- 数字
- 記号
上記の全てを盛り込んだパスワードは強力です。
また、パスワードは、8桁以上の文字列にすべきです。
自分の個人情報からは予想できない文字列を作るのが基本です。
また、面倒だからといって、他のサービスで使っているパスワードの使い回しは危険ですので避けましょう。
なぜなら、自分では気を付けていても、他のサイトで情報漏洩があった時にパスワードも流出してしまうからです。
パスワード生成(パスワード作成)ツールなどを使って複雑なパスワードをランダム生成するのも有効な手段の一つです。
二段階認証を設定する
不正アクセスを防ぐ有効手段がログインの二段階認証です。
近年よく耳にするようになりましたが、通常のIDとパスワードだけではログインさせず、別の認証コードを使って二段階のログインをおこなうシステムを指します。
万が一、IDとパスワードが流出してしまった場合でも、自身が持つスマートフォンでしか確認できない認証コードがなければ不正ログインはできません。
ログイン時に入力手間が倍になるという声もありますが、アカウントが乗っ取られるリスクに比べたら、まったく苦にならないことを重々理解しましょう。
二段階認証の設定方法は以下のとおりです。
- プロフィールでメニュー(≡)から「設定」をタップ
- 「セキュリティ」をタップ
- オプション画面の「二段階認証」の項目をタップ
- 「スタート」をタップ
- 電話番号を追加
アカウントに電話番号が追加されていない場合のみダイアログが開きます。
- SMS(ショートメッセージ)で認証コードを確認し入力
電話番号宛てにSMSで認証コードが届くので、確認して入力します。
以上で完了ですが、スマートフォンを紛失した場合に備えてバックアップコードのスクリーンショットを撮って保存しておきましょう。
複数人でアカウントを共有している場合はどうする?
企業アカウントをチームで管理しているケースもあるでしょう。
その場合、常に複数人が様々な場所からログインすることになりますので、事実上、不正ログインのリスクが高くなることは否めません。
こうした複数人による運営でセキュリティ対策を固める場合には、基本はパスワードの複雑化や二段階認証の設定をおこない、それ以上に運用ルールを明確化することが大切です。
各企業や管理体制によって最適なルールは異なりますが、一般的には以下のようなセキュリティ対策が施されていることが多いでしょう。
利用に関するガイドライン作成
管理担当者だけでなく、従業員全員が企業のインスタグラムの利用に関して守るべきルールのガイドラインを作成します。
難しい内容にする必要はありませんので、社内で守るべき内容を箇条書きでまとめておくとよいでしょう。
ガイドラインは一度作成して終わりではありませんので、追加・修正すべき内容を都度見直しながら、バージョンアップしていくことになります。
運用人数を絞る
ログインする人数が多くなればなるほどセキュリティは難しくなります。
企業によって最適な人員数は変わりますが、可能な限り運用する人数を少なくすることが望ましいでしょう。
使用端末のセキュリティも強化する
運用に使用するスマートフォンやPCなど、使用端末のセキュリティソフトが古いようでは攻撃の対象になってしまいます。
狙われにくくするためには最新のソフトウエアを導入し、常に更新して外部からの攻撃に耐えられる環境にしましょう。