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Instagramでブランドアンバサダー起用した広報活動
ここ数年でInstagramは日常生活に深く根付いたSNSツールとなりました。
- ファッション
- スポーツ
- グルメ
など、様々な分野の情報に溢れ、100億人のユーザーと企業をつなぐ巨大な市場となりました。
さて、著名人のポストで
という文章を目にしたことはありませんか?
ブランドアンバサダーとは直訳すると、「ブランドの大使」です。
その意味の通り、ブランドの顔となり、その魅力や好意的な意見を長期的に発信していく人のことを指します。
特にインスタグラム上でのマーケティングは非常に効果が高いことから、注目されています。
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アンバサダーマーケティングとは?
アンバサダーマーケティングは、対象となる商品に対して好意的な感情や愛着などを持つユーザーに宣伝してもらう施策のことを言います。
広告塔となる方がユーザーという立ち位置であるため、ただ商品を紹介するだけでなく、
- リアルな使用感
- 日常での活用シーン
を発信してもらうことなどができます。
そのため、発信する情報の質が良くなり、ユーザーにも使用感が伝わりやすいというメリットがあります。
つまり、その商品のファンによる口コミを利用するマーケティング法なのです。
そして、インスタグラム上であれば、投稿内容や履歴から、そのユーザーとつながっている人が投稿に対してどんな反応をしているのかまでわかります。
SNSを使ったアンバサダーマーケティングは非常に効率的な方法だといえます。
インフルエンサーとブランドアンバサダーの役割の違い
「インフルエンサーマーケティングとブランドアンバサダーは何が違うのか?」と思う方もいらっしゃるかと思います。
以下で違いを解説します。
インフルエンサーマーケティングの場合、有名人を含むフォロワー数が多く影響力のあるユーザーを複数人起用して、短発で案件の紹介・レビューを投稿するのが一般的です。
情報量に重きをおいたマーケティング法といえます。
それに対して、ブランドアンバサダーは少数人が数ヶ月〜年単位の長期で契約することがほとんどです。
インフルエンサーのタイアップが複数の「点」であることに対して、「線」として長期的にブランドの良さを伝えるのがアンバサダーです。
また、ブランドアンバサダーは、インスタグラム上でのポストだけがPR活動ではありません。
イベントへの登壇や映像撮影など、その活動の場は多岐にわたることもあります。
また、商品の開発やイベントの企画など、最近ではクリエイティブ面でも携わることが増えています。
ブランドアンバサダーは、ブランドと長く密接に関わる、正にパートナーと言える存在なのです。
ブランドアンバサダーとして理想的な人物とは?
先ほど述べた通り、ブランドアンバサダーは企業とパートナーシップを結び、さまざまな方面からブランドの魅力を打ち出しています。
では、どのような人物がブランドアンバサダーとして好ましいのでしょうか?
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1「企業の発信するメッセージにマッチする人物」
まず、企業理念や創業者の思想、またはキャンペーンの目的に合っているというのが大きなポイントです。
そして近年のボーダレス、ジェンダーレスの流れを受け、その選出の場は多分野にわたります。
たとえば、資生堂は2020年度のキャンペーンでは、
- 俳優
└前田美波里さん - 俳優
└ホアン・シュアンさん - 障がい者モデル
└ローレン・ワッサーさん - フィギュアスケーター
└アリーナ・ザキトワさん
の4名とアンバサダー契約をしました。
国籍、性別、年齢、活躍するステージもまったく異なる4人ですね。
しかし「With One Another. Without Limits. Our Future Is Beautiful.超えていこう。明日はもっと美しい。」というキャンペーンメッセージと、限界や常識を越えて生きる4人のスタイルがマッチしたため、選ばれたといいます。
また、著名人でなく一般の人の公募や、インフルエンサーから選ばれることも多くなってきました。
このように、ブランドアンバサダーは、活躍するシーンを問わず、企業の意向で多方面から選ばれているのです。
2「大きな影響力を持っている」
SNSで発信する情報が大きな影響力を持つというのも大きなポイントです。
フォロワー数だけでなく、投稿の頻度が高いこと、エンゲージメント率が高いことも理想的な条件と言えるでしょう。
エンゲージメント率とは「フォロワーに対するいいね!の数」です。
たとえば10000人のフォロワーから1000のいいね!をもらっている人より、300人のフォロワーから100のいいね!をもらっている人の方が、アンバサダーとして望ましいのです。
3「社会的貢献度も重要」
先日、大坂なおみ選手が、ルイ・ヴィトンとアンバサダー契約を締結し、2021年の春夏キャンペーンの顔となることが発表されました。
大坂なおみ選手は全米女子シングルスで優勝した素晴らしいアスリートです。
インスタグラムのフォロワー数も200万人を超えています。
しかし、それだけでなくブラック・ライブズ・マター運動の支持をSNS上で明言するなど、社会問題に対する意見も臆することなく発言しています。
そのようなキャリアと強い信念を「すべての人のロールモデルになる」とクリエイティブ・ディレクターのニコラ・ジェスキエールは絶賛。
4「ブランドに共感、愛情を持っている」
これがもっともブランドアンバサダーにおいて大切な要素です。
どんなに影響力があり、キャンペーンにマッチする人物でも、ブランドに対して好意的でなければマーケティングは成り立ちません。
たとえば、いつも海外のハイブランドのバッグしか使用していない人物が、国産ブランドバッグのPRをしても信憑性に欠けてしまいます。
でも、長年その国産のブランドバッグと共にポストしてきた人が、使用感や商品の魅力を語れば、説得力がありますよね。
商品のファンであれば、ユーザー目線で魅力や特徴を理解した上で情報を発信するため、情報の受け手側からしても納得感が得られます。
このように、ブランドのファンであることはアンバサダーに欠かせない要素になっています。
ブランドアンバサダーの具体的な活動実例
ブランドアンバサダーは、ブランドと契約を結び長期的にPR活動をしていく人物です。
では具体的にどのような活動をしているのでしょうか。
- インスタグラムで商品と本人の画像を載せ好意的に説明すること
└服飾品なら一緒に撮るだけでいいですが、化粧品でしたら使用感、香りなども説明がなければなりません。 - スポーツ選手の場合は企業ロゴの入ったユニフォームの着用画像をポストすること
└本人が好意的に使用していることが、インフルエンサーのファンに多大な影響力を及ぼすのです。 - インスタグラムのストーリーを利用し、企業HPに誘導すること
以上がブランドアンバサダーとしての基本的な活動内容となります。
それでは、実際にブランドアンバサダー契約を結んだ事例をいくつか見ていきましょう。
1「Dior×cocomi」
画像引用:https://www.dior.com/ja_jp/cocomi
世界的なメゾンDiorは音楽家のcocomiと2020年にビューティ、ファッション、ファイン ジュエリー&タイムピーシズのアンバサダー契約を結びました。
cocomiは木村拓也、工藤静香夫妻の長女として知名度があるだけでなく、2019年には日本奏楽コンクールで最高位を受賞し、音楽家としても本格的に活動しています。
創設者のクリスチャン・ディオールが音楽にも造詣が深い人物であったことから起用したと言われています。
アンバサダー就任にあたり、Cocomiはメゾン創業の地で自身の好きな街でもあるパリを訪問しました。
特設サイトでは、Cocomiがディオールの端々に触れていく姿を撮影した映像を公開し、その中ではプレタポルテを着用しフルートを演奏する姿も披露しています。
また、日々インスタグラムで商品画像をポストするだけでなく、うめだ阪急店のディオールビューティーのオープンを記念し、コットンポーチをデザインするなど、活動は多方面にわたります。
正に理想的なアンバサダーと言えるでしょう。
2「ネスカフェアンバサダー」
画像引用:https://www.instagram.com/nescafe_jp/
ネスレが企画した公募で選ばれるアンバサダーマーケティングです。
アンバサダー対象は企業になり、条件をクリアし「ネスカフェアンバサダー」に選ばれると、エスプレッソマシンをプレゼントされ利用できるようになります。
マシンの初期費用や修理費などはネスレが負担するので、コーヒー代のみで職場でコーヒーを楽しめるという内容です。
アンバサダーに選ばれると、職場でみんなと楽しんでいる写真の投稿と、アンケートの協力が求められます。
そして、コーヒー代を定期購入する層が増えることで、企業の収益も向上しました。
3「ワークマン・アンバサダー」
画像引用:https://www.instagram.com/workman_plus/
急成長を続けるワークマン。
その陰にはSNSを巧みに使用したマーケティングがありました。
現在ワークマンには30名のアンバサダーが所属しています。
アンバサダーを選出する際大切にしていることは、フォロワー数などといった、数値的な要素ではなく、ブランドに対する熱量や、新商品を出したときのリアクションの早さ。
SNSだけでなく、その人が行くと思われる日に店舗に専務が出向き、直接スカウトすることもあるそうです。
ワークマンのアンバサダーマーケティングでもっとも特徴的なのは、1円も報酬が発生していないことです。
アンバサダーに選ばれた人々は、もともとワークマンに対して熱い思いを持っているため、自分のアイデアが製品になるだけで喜んでくれます。
そのためワークマン側も、製作の早い段階から広い分野で製品開発に携わってもらいます。
商品の宣伝以上にアンバサダーを全面バックアップ
そしてアンバサダーがその過程や商品をインスタグラムだけでなく、YouTubeやブログで発信することで、商品に対する熱量がそのままユーザーに伝わります。
また、企業も商品の宣伝でなくアンバサダーを前面に打ち出しています。
そうすることで、アンバサダーの認知度が上がり、結果的に商品の良さが広く伝わるという相乗効果を生み出しています。
そのように、宣伝費をまったくかけずにアンバサダーの力を借り、飛躍的に成長したケースもあります。
4「MUSE&CO」
こちらはInstagramでブランドファンの中からアンバサダーを公募した事例です。
アンバサダーには、Instagramでハッシュタグ(#)を用いて、定期的にブランドPRの投稿をしてもらいます。
アンバサダーの特典としては、
- 人気ブランドの展示会やイベントへの招待
- 撮影同行
- サンプリング
などが用意されました。
応募時にも指定のタグ付けを条件に投稿を募集したところ、約2週間の応募期間にも関わらず、投稿総数は650件以上となりました。
そのアンバサダーが定期的に投稿をしたら、かなり多くの層にPRが可能です。
このようにインフルエンサーになりたいというブランドファンから選出するという手法もあります。
ブランドアンバサダーマーケティングのメリット
以上、ブランドアンバサダーと、アンバサダーを用いたマーケティングについて説明しました。
ブランドアンバサダーを用いたマーケティングのメリットは
- ブランドに好意的な質の高い情報を発信できる
- インスタグラム内にポジティブな情報を蓄積できる
- 自社にとって有益なフィードバックも確保できる
- 著名人を利用しない場合は低コストで販促が実現できる
などです。