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Instagram広告のターゲティングオプションとは?
Instagram(インスタグラム)広告のターゲティングオプションとは、Facebook広告と同じターゲティングエンジンを使用したターゲティングの設定です。
Instagramでは、ターゲティングのことを「オーディエンス」と表現することがあります。
Instagram広告には、以下の4種類のターゲティングオプションが存在します。
- ユーザ属性ターゲティング
- インタレストターゲティング
- カスタムオーディエンス
- 類似オーディエンス
上記のターゲティングオプションを利用するためには、自社のターゲティングを明確にする必要があります。
明確なターゲティングをすることで、より効率的にターゲティングオプションを使用することが出来ます。
それぞれのターゲティングオプションについて、詳しく解説していきます。
ユーザ属性ターゲティング
ユーザ属性ターゲティングとは、ユーザーの
- 性別
- 年齢
- 地域
など、基本的な登録情報からターゲットを絞るターゲティングです。
ユーザー属性ターゲティングは、Web広告全般でターゲット配信を行う際に、利用される場合が多いです。
最も一般的なターゲティングとして利用されています。
利用者データ(性別・年齢・言語)
利用データでは、
- 性別
- 年齢
- 言語
などからターゲットを絞り込みます。
Instagram広告では、Facebookのプロフィール情報を利用しています。
Facebookのプロフィール情報は、実名での登録が必要になっています。
したがって、Instagram広告の精度が非常に高くなっています。
利用者データで設定できる条件は以下の通りです。
ターゲットオプション | 条件 |
---|---|
性別 | 男性・女性・すべての3種類から選択することが可能 |
年齢 | 13~65歳まで、1歳ずつ設定することが可能 |
言語 | 日本語・英語などから言語を選択することが可能 |
性別を3種類から選択することで、自社製品のターゲットを正確な性別に対して発信することが出来ます。
例えば、男性向けの製品を女性に発信するなど、効果の薄い広告の発信を防ぐことが出来ます。
また、年齢を13~65歳まで1歳単位で設定することが可能です。
したがって、より正確に自社の製品のターゲットを絞り込むことが出来ます。
最後に、言語を絞ってターゲティングする際は、ユーザーがプロフィールに言語を設定している必要があります。
言語を設定していない場合は、配信対象に入りません。
言語を設定しているユーザーは、現状少ない傾向にあります。
したがって、基本的には言語でのターゲティングは行う必要は少ないです。
ユーザーの位置情報
Instagram広告では、ユーザーの位置情報を元にしたターゲティングが可能です。
- 国
- 市区町村
- 郵便番号
- 住所
など、細かくターゲットを絞り込むことが可能です。
また、特定のエリアを設定するだけでなく、逆に特定のエリアを除外することも可能です。
したがって、細かくエリア設定をすることが出来ます。
さらに、設定したエリアに対して、滞在していた時期を設定することも可能です。
そして、設定したエリアに現在住んでいなくても、指定期間内に滞在していれば、ターゲットの対象とすることが出来ます。
設定できる属性一覧
Instagram広告では、様々なユーザーの属性について絞り込むことが出来ます。
- 学歴
- 勤務先
- 世帯年収
- 子どもの有無
など、様々な属性が存在します。
例えば、「基礎化粧品」の商材を扱っていて、Instagram広告を出稿する場合は、以下のような属性を設定することが出来ます。
性別 | 女性 |
---|---|
年齢 | 25歳~39歳 |
地域 | 全国 |
最終学歴 | 大学卒 |
職業 | OL(正社員、派遣社員、パート) |
家族構成 | 既婚、子ども有り無し両方 |
世帯年収 | 300万円以上 |
興味関心 | ファッション、美容、コスメ |
より細かくターゲットを絞り込むことで、大きな広告効果を発揮することが出来ます。
インタレストターゲティング
インタレストターゲティングとは、Instagramでユーザーが「いいね!」をした情報や行動をもとに、ターゲットを絞り込むことです。
- 興味や関心度合い
- 行動履歴
の2つを中心に、ユーザーを分類しアプローチすることが出来ます。
したがって、コンバージョンの向上に繋がりやすいターゲティング手法です。
興味・関心ターゲティング
興味・関心ターゲティングでは、Facebook上の
- 趣味
- 関心
- いいね!
- シェア
- コメント
などの情報からターゲティングします。
上記の情報から、関連する商品やサービスを訴求することによって、高いコンバージョンに繋げることが出来ます。
また、興味・関心には、Instagram広告側から、
- スポーツやレジャー
- ファッション
- ビジネス
- フィットネス
- アクティブ
などの多数の項目が用意されています。
例えば、「基礎化粧品」の商材の場合は、
- 「買い物・ファッション」から「美容」を選ぶ
- 「化粧品」をはじめとした、「香水」や「ヘアケア商品」などを選択する。
- 「化粧品」を選択することで、化粧品に関する興味・関心を持っているユーザーに対して広告を配信できる
となります。
行動ターゲティング
行動ターゲティングでは、ユーザーの
- 閲覧履歴
- クリック
- 購入
- 申し込み
などの過去のコンバージョンなどの行動データをもとにターゲティングします。
興味・関心と同様に、高いコンバージョンに繋がりやすいターゲティングとなります。
カスタムオーディエンス
カスタムオーディエンスとは、Instagram広告におけるターゲットオプションのひとつです。
Instagramのユーザーの中から、既存の顧客を見つけることが出来ます。
カスタムオーディエンスでは、ユーザーの電話番号やメールアドレスを使用して、
- 過去にホームーページを訪れたことがあるユーザー
- アプリをダウンロードしたユーザー
- 自社の商材を購入したことがあるユーザー
などと照らし合わせ、オーディエンスとなるリストを作成することが出来ます。
自社に対して興味を持ったことがあることから、コンバージョンに繋がりやすくなっています。
Instagram広告では、以下の5つのカスタムオーディエンスが存在します。
- カスタマーリストに基づくカスタムオーディエンス
- ウェブサイトカスタムオーディエンス
- エンゲージメントカスタムオーディエンス
- モバイルアプリカスタムオーディエンス
- オフラインアクティビティカスタムオーディエンス
上記のカスタムオーディエンスについて、それぞれ詳しく説明していきます。
カスタマーリストに基づくカスタムオーディエンス
自社で保有している顧客リストを使用して、ターゲティングを行う手法です。
過去に自社に対して興味を持ち、資料請求や登録などを行ったユーザーをリストにします。
特に、何かしらの興味を持ってもらっても、コンバージョンに繋がらなかったユーザーに対して積極的にアプローチを行います。
見込み顧客の集客を行うために効果的な手法です。
ウェブサイトカスタムオーディエンス
自社のホームページへ訪問したことがあるユーザーに対して、ターゲティングを行います。
1度以上ホームページへ訪れたことがあるユーザーに対して、リターゲティング広告のような展開をすることが出来ます。
ウェブサイトカスタムオーディエンスでは、
- URL
- リーセンシ―(最後に訪問してからの経過日数)
- ユーザーの滞在時間
- イベント
などを条件として設定することが出来ます。
したがって、細かくターゲットを絞り込むことが可能です。
エンゲージメントカスタムオーディエンス
自社のInstagramアカウントに対して、何らかのアクションを行ったユーザーに対してターゲティングを行うことが出来ます。
エンゲージメントカスタムオーディエンスに含まれるアクションは、
- コメント
- シェア
- リアクション
- 動画の再生
- リード獲得フォームへのクリック
などがあります。
自社のInstagramアカウントへのアクションを取ったことがあるという点では、リターゲティングしやすいと言えます。
また、新規ユーザーへの広告配信に比べて、コンバージョンに繋がりやすいという特徴があります。
モバイルアプリカスタムオーディエンス
自社のアプリに対して、何らかのアクションを行ったユーザーを対象としたターゲティングを行います。
アクションには、
- アプリのインストール
- アプリの起動
- アプリ内での課金・購入
などがあります。
オフラインアクティビティカスタムオーディエンス
オフラインアクティビティカスタムオーディエンスでは、実店舗でのアクションを行ったユーザーに対してターゲティングを行います。
アクションとしては、
- 購入
- 電話注文
- 予約
など、自社とオフラインで接点を持ったユーザーが対象です。
- 店舗でのビジネスを行っている場合
- O2Oマーケティングを行っている場合
などに設定しておきたいターゲティング設定となります。
類似オーディエンス
類似オーディエンスとは、カスタムオーディエンスを元に、類似するユーザーを絞り込むターゲティング手法です。
カスタムオーディエンスとどれほど類似しているかを、1~10%の範囲で指定することが出来ます。
1~10%の中では、1%が最もカスタムオーディエンスに類似しているユーザーとなります。
自社の製品やサービスに対するターゲット層が明確に分からない場合などに役立ちます。
また、ターゲット層が明確でも、ターゲットに適した絞り込みが出来ない場合にも役立ちます。
カスタムオーディエンスの情報さえあれば、Instagram広告側で自動でマッチしたターゲットをに対してアプローチすることが出来ます。
類似オーディエンスでは、以下のような手法が存在します。
- ピクセルを用いた作成
- カスタムオーディエンスを活用した作成
上記の2点について、それぞれ詳しく説明していきます。
ピクセルを用いた作成
自社のInstagramアカウントに埋め込んだピクセル(ピクセルタグ)を活用することで、
- 訪問
- コンバージョン
などに繋がったユーザーの情報を分析します。
ピクセルとは、サイトに貼り付けることのできるコードで構成されている分析ツールです
分析した結果、特徴が似ているユーザーに対してターゲティングを行い、広告を配信することが出来ます。
カスタムオーディエンスを活用した作成
顧客リストが既に存在する場合は、カスタムオーディエンスの情報を元に、類似するユーザーに向けて広告配信をすることが可能です。
顧客リストによって、ターゲットを選定するための情報が揃っています。
揃っている情報を元に類似するユーザーを探すため、早い訴求を行うことが出来ます。
また、1つの広告セットの中では、複数の類似オーディエンスを同時に使用することが出来ます。
ターゲティングを設定する際の注意点
Instagram広告には、様々なターゲティングオプションが存在します。
それぞれ明確なターゲットを設定することで、効果を発揮します。
明確なターゲット設定は、簡単なことではありません。
場合によっては、細かく設定しすぎることで、マイナスに働く場合もあります。
ターゲティングを設定する際の注意点について、詳しく解説していきます。
- ターゲティングが狭すぎるとCPMが高騰しやすい
- 自社の顧客リストをターゲティングに活用する
- 広告セット間でのターゲット重複を避ける
- 配置面・デバイスは重要な設定となる
- 広告出稿後の情報収集期間中にターゲットの編集を繰り返さない
ターゲティングが狭すぎるとCPMが高騰しやすい
ターゲティングを設定する際は、細かく設定しすぎないように注意しましょう。
細かく設定することで、CPM(Cost Per Mille)が高騰する恐れがあります。
ターゲットを絞った運用をする際は、競合他社との入札争いが激化する場合があります。
したがって、CPMが高騰してしまいます。
CPMの高騰を防ぐためには、広めにターゲットを設定することがおすすめです。
どうしてもターゲットを絞りたい場合以外は、広めにターゲットを設定しておきましょう。
ターゲッティングの幅は、広告管理画面にて確認することが出来ます。
インジゲーターを見ると、現在設定されているターゲティング幅について、どれほどのオーディエンスボリュームがあるのか表示してくれます。
インジゲーターを利用して、適切なターゲティングを行うことが大切です。
自社の顧客リストをターゲティングに活用する
Instagram広告では、自社の顧客リストを活用することが出来ます。
新規の顧客ばかりではなく、既存顧客に対してもアプローチすることは大切です。
自社の顧客リストは、識別情報と呼ばれます。
具体的には、
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
などの情報が対象です。
カスタムオーディエンスを元に、ターゲティング対象とのマッチ率を向上させるには、顧客リストを多く集めることが大切です。
また、使用する顧客リストは、なるべく詳しく情報が記載されたものが好ましいです。
詳しく情報が揃っているほど、顧客リストとInstagramアカウントの情報を一致させやすくなります。
広告セット間でのターゲット重複を避ける
広告を配信する際には、ターゲットが重複しないように意識することが大切です。
Instagram広告では、ターゲティングは広告セットごとに設定します。
そして、広告セット間でのオーディエンスが重複することで、競合関係になってしまいます。
同じ自社の広告同士で競合関係になることで、配信数を減らす可能性が出て来ます。
配置面・デバイスは重要な設定となる
Instagram広告では、広告を配信する配信面(スペースや枠)やデバイスも、ターゲティングの有効な手段です。
広告枠やデバイスに応じたクリエイティブを用意することで、効果的にアプローチすることが出来ます。
ユーザー属性や興味・関心だけでなく、それぞれの広告枠やデバイスに合わせて広告を配信することも大切です。
特に、デバイスに関しては、大きくコンバージョンに影響します。
広告出稿後の情報収集期間中にターゲットの編集を繰り返さない
Instagram広告では、Facebook広告と同じターゲティングエンジンを使用しています。
機械学習を元に、広告の効果を高めるように運用されています。
したがって、情報を収集している間にターゲットを編集してしまうと、機械学習を十分に行うことが出来ません。
その結果、広告の効果を十分に高めることが出来なくなります。
広告セットが情報収集期間中となっている場合は、ターゲティングの設定を変更せずに運用することが大切です。
まとめ
Instagram広告では、Facebook広告と同じターゲティングエンジンを使用しています。
Facebookの高い精度のターゲティングを使用して、Instagram広告を出稿します。
Instagram広告には、以下の4種類のターゲティングオプションが存在します。
- ユーザ属性ターゲティング
- インタレストターゲティング
- カスタムオーディエンス
- 類似オーディエンス
それぞれは、自社の広告のターゲットを明確にしてから設定する必要があります。
やんわりとしたターゲットでは、広告のターゲット自体もやんわりとしてしまいます。
その結果、想定していたターゲット以外のターゲット層にも広告が配信されてしまいます。
興味・関心が薄い層へのアプローチは、効果が薄くなります。
したがって、しっかりとターゲットを明確にしましょう。
しかし、細かくターゲットを設定しすぎることで、CPMが高騰するというデメリットも存在します。
適切なターゲットを設定し、自社にあった広告出稿を行いましょう。
また、闇雲にターゲットを設定することは、機械学習の妨げになります。
広告効果をしっかりと管理画面で確認し、上記の4種類のターゲティングオプションを活用していきましょう。