「洋服があれば世界は劇場になる」をコンセプトに、トレンドや新しさだけにとらわれることなく、誰の真似でもない唯一無二な世界観、自分たちにしか出来ないクリエーションを真摯に追求してきたシアタープロダクツ。来年はブランド創立10周年を迎える。東京を中心に多くのファンから共感を得ている服作りの源とは。デザイナーの武内昭さんと中西妙佳さんに伺った。
最新コレクションのテーマは「CAMOUFLAGE(カモフラージュ)」。20世紀初頭にフランスで活躍した画家エドゥアール・ヴュイヤールの絵画がインスピレーション源になっているそうですね。
中西:エドゥアール・ヴュイヤールの絵は以前からとても好きでした。今回、改めてヴュイヤールの絵を見ていた時に、ここに今自分たちが表現したい世界があるんじゃないかと思ったんです。膨らみを持たせて、表現することが出来そうだ、と。ヴュイヤールは日常の風景や、人がいる風景を頻繁に題材として取り上げていたようです。さまざまな色使いや、細かな柄によって成り立っていて、そこが面白いと感じました。そこから、カモフラージュというテーマにつながっていきました。
武内:人が入ることによって空間が出来る、空間に混ざって人が出来ている。それを何と表現するかと考えた時にも、カモフラージュという言葉が一番しっくりきたんです。
ヴュイヤールが生きた時代背景も意識しましたか?
中西:そこはあまり考えずに作っていました。コレクションを作っていく過程での、キーワードのひとつに "けだるさ" があって、シルエットや分量感、色使いなどで表現しましたが、その時代のムードにたまたま合致したのかもしれません。
そもそもデザインの工程において、武内さんと中西さんの間で役割分担のようなものはあるのでしょうか?
武内:分担は特に決まっていません。その時々によって違うし、コレクションごとに変わることもあります。
中西:ひとつ "何か" をポンと投げたら、お互いにいろいろとくっつけていく感じです。だから、相手があまり気にしないことを投げてしまうと、スルッと通り過ぎてしまうこともある。でも、この行程が重要で、自分の中でぼんやり思っていたことを相手に投げ、そのことを相手がまた投げ返してくることで、どの方向に進みたいのかが見えてきます。服は人が着てこそ出来上がるものだと思っているので、その服を着てどんな動きをするか、どこにいるかなどを想像しながら作っています。でも、日常にばかりとらわれていると、小さくまとまってしまいがち。お互いにやり取りを重ねながら作っていくことによって、着られる物でありながら、強いメッセージを持つ服を作ることが出来るような気がしています。
今回ランウェイの模様を3Dカメラで収録し、
映像作品を製作するそうですね。
中西:3Dには前から興味があったのですが、特に今回のテーマを表現するのに適していると思いました。収録はパナソニッックさんの協力です。まだ完成していませんが、出来上がった映像がどのように見えるのか、とても楽しみです。
武内:3Dを楽しむという意味でも、こだわりのある演出ができたと思います。映像は12月10日から27日まで、表参道ヒルズの「PASS THE BATON GALLERY」でご覧いただけます。ショーで使ったはしごなど、すべての什器が「PASS THE BATON」のものなので、実際にショーで使ったセットも展示、購入することもできます。映像作品として完成したものは来年発表予定です。






